平成29年度

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滋賀県建具協同組合

新たな販路開拓・市場開拓(平成29年度調査)
顧客視点で「建具のある居住空間」を強力に提案

作り手の視点から、より顧客ニーズに沿った「建具のある居住空間」の提案をコンセプトにし、組合員の意識啓発と撮影技術の修得が成果を上げるカギとなった。

1.背景と目的
和の建具市場における生活様式の洋風化に伴う市場縮小という環境変化に対応するために、2010年度から建具デザイン集「しがたて建具デザイン集」の発刊に取り組んだ。2015年度には、これをより顧客視点に発展させ「建具のある居住空間」を提案することで需要を喚起すべく、デザイン集を大幅に再編集し「建具デザイン集『おうみ』」として新たに発刊することとした。

2.事取組みの手法と内容
本事業への取り組みは、約1年半をかけ5つのフェーズにより推進した。フェーズ1では、「しがたて建具デザイン集(第1版・第2版)」への取り組みにおける問題点として「業者視点であり顧客目線になっていない」点を抽出し、組合員の意識啓発を図った。フェーズ2では、「建具のある居住空間」をわかりやすく魅力的に伝えることをコンセプトとして決定し、「玄関・ホール」「リビング・ダイニング」など6つのカテゴリごとに組合員が実際に制作・納品した建具を中心とした空間写真を多数掲載するという編集方向性などを決定した。さらに組合員がそれぞれ魅力的な建具のある居住空間を撮影するための技術講習(フェーズ3)を経て新たなデザイン集を制作した(フェーズ4)。その後、本カタログを有効活用するための研修会を開催(フェーズ5)し、各組合員がそれぞれの販促活動へと展開するに至った。
本事業は、理事会の下にある研修会等の企画・開催をする第一部会内の「しがたてデザイン研究会」において、理事が中心となって推進された。この取り組みにより、本カタログで顧客ニーズを喚起し、当初のデザイン集により建具のバリエーションを提案するという一連の販促プロセスが確立した。また、2016年度には増加しているリフォーム需要へ対応するための共同チラシを展開するなど販促活動は進化しており、2年後を目途にWEB展開につなげたいとしている。

3.成果とその要因(目標達成状況や今後の期待成果を含む、成果要因・奏功エピソード)
本カタログは1,000部発行し、組合員が個々に活用するほか工務店などにも販売した。また、業界の全国大会での販売も併せて行っており、他府県の建具組合にも好評を得ている。これらの成果を生み出した要因は、顧客視点に立たなければならないという組合員の意識改革と、魅力的な居住空間を撮影するためにプロのカメラマンによる技術講習を並行して行ったことが大きい。


建具デザイン集「おうみ」


デザイン集の作成・活用のために研修会を実施

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滋賀県貨物運送事業協同組合連合会

後継者の育成/技術・技能の継承/人材確保・育成(平成29年度調査)
貨物運送業界で先進的な女性活躍社会の実現を目指す。

貨物運送業界では、ドライバーの高齢化が進む中でネット通販などの進展から貨物量が増大し対応しきれないという危機感が強く、新たな担い手獲得に期待感が高くなっている。

1.背景と目的
運送業界においては、平成2年の貨物自動車運送事業法施行以降、トラック運送事業の規制緩和によって新規参入事業者が20年で1.5倍と急増しているが、一方で慢性的な人材不足となっており、新たな担い手として女性ドライバーの活躍が期待されるなかで、その可能性を追求するためにフィージビリティ調査を行うこととした。

2.事取組みの手法と内容
本事業は、女性活躍の可能性を探索し、次の実践ステージにつなげるための第一段階として取り組んでいる。事業は、「調査ポイントの整備」「ヒアリング調査」「アンケート調査」「集計分析・取りまとめと啓発」で構成しており、ヒアリング調査は、傘下組合の中から3組合、さらに女性のリアルな声を聴くために滋賀県トラック協会に所属する女性経営者を対象に実施している。調査ポイント(視点)は以下の4つである。
①現状把握:経営状況/女性や若手ドライバーの雇用に関する現状
②問題意識:女性や若手ドライバーの確保の必要性/労働環境や雇用に関して
③改善への取り組み状況:改善への取り組み意識/改善への取り組み状況
④アイデア創出:参考にしている他業界の取り組み/施策アイデア
本事業では、連合会理事会の意思決定の下で事務局が「事業推進事務局」となり、中央会及び外部専門家の支援を受けて推進する体制で取り組んでいる。連合会及び傘下組合では「ドライバーの高齢化」という共通の問題点を持っており、これが喫緊の課題(悩み)となっているが、身近で具体的な取り組みの切り口となる他業界も含む女性の戦力化に関するケーススタディを成果目標としたことで、事業への取り組み意欲が高まりつつある。

3.成果とその要因(目標達成状況や今後の期待成果を含む、成果要因・奏功エピソード)
本事業の調査結果を連合会の研修交流会において傘下組合の組合員に説明を行い、集計データ集・報告書として取りまとめている。集計データ集・報告書は組合員事業者の女性活躍に関するケーススタディとして活用できるツールとすることを目指している。次年度以降は、実践ステージへの移行が課題となるが、組合員企業においての実践事例を積み上げて水平的に取り組み事例が共有され、さらに進化されることが期待される。


女性経営者へのヒアリング


調査結果の報告