事例集

リモートPC

田中シビルテック株式会社

道路、橋、トンネルなど公共インフラを維持管理するための修理・修繕が専門です。「シビルテック」とはシビルエンジニアと呼ばれる土木技術者が磨いてきた技のこと。長年の経験と技術で滋賀県内橋梁補修工事ではトップクラスのシェア、また国内に6拠点を構え、全国的にもあらゆる構造物の補修・補強工事を請け負っています。

本社所在地 長浜市木之本町木之本1768
代表者名 代表取締役社長 湯本 聡
創業 1924年
従業員数 66名
ホームページURL https://www.tanaka-ct.co.jp/
導入ポイント ▼

  • ・ リモートPCで安全に効率的に業務ができる方法を検討
  • ・ 安全性の高いシン・テレワークシステムを担当者がテスト運用
  • ・ テレワーク体制を整え、多様な部門への拡充をめざす

災害時、非常時にも業務継続可能な
テレワーク体制の整備を

コンクリート構造物の補修・補強のエキスパートとして調査・診断・施工・研究などを行う田中シビルテック株式会社では、DX化による働き方改革を田中取締役が中心に推進しておられます。安全で効率的なテレワークの導入をめざしてテスト運用をされた総務部ICT課・安全課の中川貴史様に、テレワークを体験して感じたメリットや今後の課題などについてお話を伺いました。

田中シビルテック株式会社
代表取締役 湯本 聡 社長

定着しているリモートワークをより安全に効率的に

コロナ禍で社会のデジタル化が急速に進展する中、建設業においてもDX (デジタルトランスフォーメーション) 化による働き方改革の推進が国土交通省から提言されました。弊社では、コロナ以前から社内のデジタル化を進めており、私自身も2019年秋にビデオ制作会社から転職して、現在はICT課と安全課にてドローンを使った測量、3Dでの重機使用時の危険箇所のシミュレーションなどDX化を担当しています。

また月に一度、部門長の会議があり、これまでは東北、関東、中部、山口など全国6拠点から支店長が本社に集まっていたのですが、2020年の緊急事態宣言時を機に、ZoomやTeamsを使ったWEB会議ができるように会議室に75インチの大型モニターを設置するなどデジタル機器を整備しました。顔を合わせて会議をする方がよいという意見もありましたが、部門長からは長距離の移動は負担が大きく、時間の節約ができてよかった、経費節減になる、パソコンやタブレットさえあればどこでも会議ができるという意見が多く好評です。テレワークについては、工事現場での仕事は基本的に直行直帰のため、現場事務所と本社をサイボウズのクラウドで連携したリモートワーク体制は定着しているのですが、会社のデスクトップPCでしかできない作業もあり、リモートPCで安全に効率的に業務ができる方法を検討していました。

テレワーク実施に向けて遠隔操作を試験的に運用

滋賀県中小企業団体中央会の「中小企業テレワーク『はじめの一歩』支援事業」がきっかけとなり、実施に向けて、まずは私が試験的に運用することにしました。私は各現場の記録撮影をしており、繁忙期には現場での撮影後、本社に戻り、会社のデスクトップPCで編集作業をするので、終業時刻が遅くなることもありました。

IT専門家の訪問支援の時に貸与いただいたPCと会社支給のノートパソコンの両方で使えるようにシン・テレワークシステムを設定することで、会社のPCを操作しているのとまったく同じように業務ができるようになり本当に助かりました。現場事務所でリモートワークをしているとそのモニターを見て「何をしているの?」と聞かれ、会社のパソコンを遠隔操作していると説明するとみんな驚いています。テレワークを体験してみて感じたメリットは、いつでも会社と同じ業務ができ、業務時間の効率化が図れること。移動にかかる時間を業務に充てられ、残業時間の削減にもつながるため、状況によってはフレックスタイムも導入できるのではないかと感じています。個人的には現場に行く日でも早く帰宅できるので家族といっしょに晩御飯を食べたり、テレビを見たり、会話も増えました。デメリットとしては、テレワークする社員のコンプライアンス意識が大切だと実感しています。現状の社員はきちんと自己管理していますが、新入社員には情報セキュリティに関するリテラシーなどの教育が必要でしょう。あとは、テレワーク中は社内に居ないので「ちょっとこれお願いします」というような作業や相談に対応できない。また、MacからWindowsPCのリモート接続のため、MacOS用にフォーマットしたHDDを繋げることができないことなどが今後の課題です。

いざという時にも業務を止めることなく力を発揮

テレワーク導入への懸念のひとつに、接続セキュリティの問題がありました。自分で調べて検討して、もし何かトラブルがあった時に会社に迷惑をかけるのではないかと。以前はOS環境を選ばないGoogle Chromeを使用しており、二段階認証なども設定していましたが、これで大丈夫なのかと心配でした。IT専門家の方から「公的な機関から提供されているシン・テレワークシステムなら間違いないですよ」とお墨付きをいただき、安心して作業できるようになりました。DX化の面でもいろいろとアドバイスをいただき、いずれはVR(バーチャルリアリティ)で現場を再現した臨場感ある映像を見ながらの安全衛生研修などもしたいと構想を練っています。テレワークの本格的な導入はこれから準備を進めていきますが、体制を整えておくことで、いざという時も業務を止めることなく継続できるのは企業としての強みになるはずです。各地でまん延防止等重点措置が発令されている今、本社ではフロアを分散して勤務していますが、出社しなくてもできる作業は在宅ワークにすればリスク低減にもなります。そして、建設業は自然災害発生時には地域の復旧作業に駆けつける必要があります。そういう時にこそテレワークが事業を継続する上で要になるものと期待しています。

テレワーク業務の流れ

リモートで社会貢献活動

CESA(Construction Eco Spirit Association)循環型社会形成推進協議会が実施する子ども向けの社会見学プログラムに参加しています。以前は工事現場での職場体験・見学を行っていましたが、コロナ禍でリモート開催になりました。現場の様子をWEBカメラで撮影し中継した映像を、保育園や幼稚園、小学校のパソコンからプロジェクターで投影して建設業の魅力を伝えています。

テレワーク『はじめの一歩』
ワンポイントアドバイス

やってみれば本当に便利だとわかるはず
田中シビルテック株式会社
常務取締役 田中和孝 様

業種的にもテレワークは難しいのではないかと思っていましたが、テレワーク導入支援事業を受けて、テレワークを体験してみて本当に便利だなとわかりました。今では、テレワークをやめろと言われてもやめられないです。一度、実施してみて、どの部門でどんな業務ができるのか、活用ツールなどを検討して、見直しや改善を繰り返しながら、体制を整えていくのがよいと思います。

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