業務環境整備
株式会社池田製作所
本社所在地 | 湖南市大池町2-2(湖南工業団地内) |
---|---|
代表者名 | 代表取締役 池田龍宏 |
創業 | 1971年 |
従業員数 | 11名 |
ホームページURL | https://ikeda-pura.main.jp/ |
- ・ テレワークを含む社内の業務環境の整備プランを策定、導入準備中
- ・ 専門家によるサポートで就業規則の整備やセキュリティ対策を検討
- ・ テレワーク推奨日を設定し、できることから実施
人と人との連携強化に努め
新たな強みの創出をめざす
工業用プラスチック製品などを製造する株式会社池田製作所では、より働きやすい社内の業務環境の整備プランを策定し、テレワークの導入に向けても準備を進めておられます。代表取締役の池田龍宏社長に今後の取り組みについて、テレワーク実施後に期待される新たなビジネスの可能性などについてお聞きしました。
日常業務から問題点を見つけ出し社内ネットワークやWEBの活用を検討
「製造業でテレワークができるわけがない」とよく言われます。しかし、今は便利なツールがたくさんあり、在宅勤務はできなくても、社内での遠隔ネットワーク、WEBを利用してできることは必ずあると考えていました。日常業務の中での問題点を見つけ出し、課題解決や新しい価値を付加できるような業務環境の整備プランを策定しました。
まずは「社内のネットワーク環境の整備」。Microsoft365をベースにOneDriveと社内サーバーで情報共有していますが、個々によって同じ拡張子でもファイル名が違うなどデータの紐づけ作業ができておらず、例えば、再発注いただいた製品のデータ検索などが煩雑でした。そこで、受注管理システムを改修、バーコードを使用して在庫管理・ロット管理、検査などトレーサビリティの機能も果たす各種データの紐づけを構築し、運用を始めています。
次に「ペーパーレス化」です。弊社では年間2万件ほどの図面を使用します。その都度、必要な紙の図面を探すのに工数がかかっていました。図面などの記録や情報はすべてデータ化、データファイルはタブレットやタッチスクリーンで編集しています。そして「ネットワーク環境の整備」「ペーパーレス化」が実現できると、いつでも、どこでも情報共有が可能になり、時間や距離に関係なく繋がれるため「人と人との連携を強化」することができます。今のところは、社内ネットワークでの情報共有のみですが、今後はテレワークにも活用していきます。また社外との連携のため、WEBカメラを導入し、ZoomなどでCAD・CAMのオペレート講習を受講したり、外部との会議などを実施したりしています。
こうした業務環境が整備されることで、遠方でさまざまな事情により就業できないスキルをもつ人材に柔軟な勤務体制での「新しい雇用を創出」できると考えています。
自分の考えが整理でき、めざす取り組みが明確化・具体化
業務環境の整備は10年ほど前から考えていましたが、毎日の見積や納期などに追われ、なかなか進めることができていませんでした。今回「中小企業テレワーク『はじめの一歩』支援事業」のサポートを受けたことで、改めてしっかりと考える時間を作れたことが推進力となっています。サポートのヒアリングや打ち合わせに向けて情報や自分の考えを整理したり、専門家の指導を受けたりすることで、経営者として自分のすべきこと、めざす取り組みが明確になりました。
テレワークに関する就業規則の整備やセキュリティ対策も検討を進めているところですが、サポートの中で専門家の方にご指導いただけたことがとても役立ちました。就業規則については弊社の専属社労士と支援事業担当の社労士の方を交えて面談する機会を設けていただき、実施に向けてより具体的なアドバイスをいただきました。セキュリティについては、データの暗号化やウイルス対策ソフトの導入、安全な回線の使用など技術的な対策、さまざまな情報漏洩やクラウドサービスのウイルス感染による情報消失といった物理的なセキュリティ対策についてもご教示いただきました。
「スピードが命」の仕事、テレワークでさらに迅速に
テレワークは月1回の「テレワーク推奨日」からはじめようと考えています。会社ではずっと立ち仕事をしている社員や遠方からの通勤者もいますので、月に1日だけでも在宅で集中して加工プログラムを組むことで、社内での業務にもよい変化があるかもしれません。実際の就業時間が明確にできないという意見もあり、半分有休・半分在宅ワークという勤務スタイルも検討しています。私共の仕事は「スピードが命」、今でもご依頼から24時間以内に見積をお送りしていますが、テレワークによりさらに迅速な対応が実現でき、弊社としては大きな強みになります。さらに、これからは従来の対面型のフィールドセールスよりも、WEBなどで情報発信した上でアプローチするインサイドセールスが増加すると思われます。最近はSNSやYouTubeの動画を見て発注が来ることもあり、営業的にもテレワークの成果が期待されます。コロナ禍で人との関わり方や価値観が変わりましたが、そんな中でも人と人との連携強化に努め、テレワークの活用で新たな強みを創出することをめざしています。まずはできることから実施し、再考や見直しをしながら、弊社にマッチしたテレワークを推奨していきます。
PLAN業務環境整備プラン
-
ネットワーク環境を整理
- ・Excelデータ、csvデータを活用し、多様なアプリに対応
- ・Microsoft365をベースに、OneDriveと社内サーバーで情報共有
- ・各種データの紐づけ作業
- ・高度なセキュリティ対策
ペーパーレス化の推進
- ・FAXは出力せずにPDF化(OCR処理をめざす)
- ・各種データファイルはタブレットやタッチスクリーンで編集
人と人との連携を強化
- ・受注管理システムを改修
- ・インサイドセールスの開始、効率的な営業活動へ
- ・WEB会議システムの運用
新しい雇用を創出
- ・場所に縛りのない広域な範囲で求人
- ・柔軟な勤務体制でスキルをもった人材を雇用
自然災害や非常時にメリットを発揮
2022年夏頃に日野町の新社屋への移転を予定しています。土地柄、大雪の影響で通勤困難になることも想定してテレワークの基盤を築いています。台風や災害、コロナの影響などで休業せざるを得ない時でも、テレワークで業務ができる準備をしておけば、業務をストップさせず、事業を再開したときにもスムーズに稼働できると考えています。
テレワーク『はじめの一歩』
ワンポイントアドバイスまずは「ペーパーレス化」からはじめてみては?
テレワーク導入には機材をそろえたり、システムを構築したり手間も費用もかかるかもしれませんが、それが自社の強みに変わるなら必ず価値のあることだと思います。導入に向けて業務フローを見直し、問題点を改善するきっかけにもなります。まずは紙の媒体を無くす「ペーパーレス化」から始めてみてはいかがでしょうか? はじめなければ何も変わりませんが、はじめてみればいろんな変化が起こるはずです。