株式会社矢島製作所
本社所在地 | 草津市上寺町200-5 |
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代表者名 | 代表取締役 矢島育郎 |
創業 | 1960年 |
従業員数 | 65名 |
ホームページURL | http://www.yajima-works.co.jp/ |
- ・ 離れた場所を繋ぐテレワークの活用拡大のためのセキュリティ対策を
- ・ 知識やスキルの異なる社員が共通認識を持てるような研修資料を作成
- ・ 外出時のモバイルワーク、社内DX化による業務改善も推進
セキュリティ対策の徹底が
社員一人ひとりを守ることになる
自動車を陰で支える小型プラスチック部品などを製作する株式会社矢島製作所では、日々の業務の中で取り扱うITや情報のセキュリティ対策推進を検討されており、今回の支援では内部向け情報リテラシー研修用の資料を作成しました。社内教育の必要性、今後の展開について代表取締役の矢島育郎様にお聞きしました。
日常業務においても欠かせないセキュリティの社内教育を
「製造業は機械を動かしてモノづくりをする、テレワークは…」と考えていました。しかし、同居家族のコロナ陽性時にwebミーティングやVPNでの社内システムアクセスで半月の間仕事をした経験から、テレワークの利便性を感じるようになりました。
「生産設備を動かすことが仕事」という、これまでの固定概念にとらわれることなく「ICT(情報通信技術)を活用し、遠隔地や他工場などでも時間や場所に左右されずに、情報収集・意思決定を円滑に行える柔軟な働き方」を今後もさらに模索していきたいと考えています。また、受発注や売上、製品情報、お客様情報、仕入先情報などを一元管理するシステムを構築し、各拠点、各従業員がリアルタイムで情報共有できるようにもしています。大手企業様との取引では、以前から情報管理やセキュリティに関する要望をいただくことがあり、必要な対応は行ってきました。今後の社内外DX化やVPNを使ったアクセスなど活用の拡大を考え、セキュリティ対策をさらに推進することを検討していました。社内PC・ネットワーク環境整備は外部委託しています。これでは窓口になる担当者のみが知識を得ているにとどまります。いかに全社員に向けてセキュリティ研修など社内教育の機会を設けていくかを検討しております。
社員の共通認識が持てる研修資料の作成を依頼
2022年秋から支援を受けた滋賀県中小企業団体中央会の「中小企業テレワーク『はじめの一歩』支援事業」では、まずはITコーディネーターにセキュリティ対策強化の進め方について相談しました。ウイルスソフトの導入、緊急時のアクセス遮断などハード対策は必須で弊社でも実施しています。しかし、それを使用する社員のリスク意識と理解がないと、リスクマネジメントとしては不十分です。
いかにハードを整えようと、使用する側がソフト面で最低限のことを理解し対応できなければならない、と考えていました。そこで、支援事業ではセキュリティに対する意識啓蒙、理解の必要性と継続の重要さを社内で共有するため、社内研修用の資料作成をお願いすることにしました。業務で常にPCを使う社員もいれば、月に1回程度という社員もいます。ITやPCについての知識やスキルも千差万別なので、従業員が共通認識を持てるような内容を要望しました。また、同じ難易度では、人によって簡単すぎたり、逆に難しかったりということもあるため、幅広い内容を段階的にまとめられた資料として、PC使用頻度の高い社員や管理者には全体版を、まずは入門からという社員には抜粋版と使い分けられるようにリクエスト。仕事だけでなく、個人の趣味や家庭でも役立つセキュリティの見識も付加し、仕事で学んだ知識をプライベートにも生かせることで当事者意識を高められるよう工夫していただきました。今後は総務部署主導で研修資料を従業員に配信し、それに対し種々の手法を使って理解度を深めていきたいと考えています。また、ITコーディネーターには、取引先から求められているセキュリティやBCP(事業継続計画)対策などについても、多様な分野の企業様の事例を交えてアドバイスをいただき、弊社の実情とそれに合う対応策などお聞かせいただきとても役立っております。
VPN接続でスピーディーな対応、DX化による業務改善も
これまでも営業で取引先との打ち合わせにノートPCを使うことはありましたが、必要なデータをノートPCに保存して持ち出していたため、想定外の案件の話になると対応できないこともありました。セキュリティ対策が強化できれば、VPNで社内システムに接続して、状況に応じた様々なデータを閲覧したり、その場で修正したり、スピーディーな対応ができるようになります。そして今回の取り組みをきっかけにDX化による業務改善も進めていきたいと考えています。すでに、機械の稼働状況をオートデータ化し、イントラネットで社内共有、異常値計測時のシグナル送信・履歴化、全生産品目の工程表・材料・金型・設備・品質情報・来歴など全て連携して一元管理しています。これらに新たな機能を付与していくことで、生産・作業の効率化、品質の向上にも役立つはずです。さらなるモバイルワーク、社内DX化推進に向けて安全にPCやインターネットを使うためのセキュリティ対策を徹底していきたいと考えています。PC持出者の資格更新制度なども検討しています。万が一、セキュリティ事故が起きた場合、社員個人、会社だけでなく様々なステークホルダーにまでダメージを与えてしまいます。セキュリティに関する知識をしっかりと学び、安全性を高めることで社員にリスクを負わさない、すなわち社員を守ることにもなると確信しています。
Training Materials内部向けセキュリティ研修会用資料
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プライベートITとビジネスITの違い、PCやスマホ、ネット、SNS、Wi-Fiを使う時の注意点、フィッシング攻撃や標的型攻撃の事例、ウイルスに感染してしまった場合の対応などをわかりやすく説明しています。
テレワーク『はじめの一歩』
ワンポイントアドバイス
継続的な意識啓発で安全性の向上を
PCやIT、セキュリティについての意識や知識、理解度は個人差があります。しかし1回でも事故が起こるとすべてが機能停止してしまうようなリスクもあります。当事者意識をしっかり持ってもらうことが大切です。また、知ってるつもりで「自分は大丈夫」と思っていることもありますので、定期・不定期を問わず、意識啓発を継続することが安全性の向上に繋がると思います。