滋賀県の事例

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滋賀県旅館ホテル生活衛生同業組合

※災害対策(平成23年度調査)
災害時における被災者への旅館・ホテル入浴施設の提供

組合と滋賀県が「災害時における被災者に対する旅館・ホテルの入浴施設の提供に関する協定書」を締結し、大規模地震、風水害などへの危機管理体制を構築した。

1.背景と目的
本事業は、旅館ホテル業界が大規模災害発生時における支援活動として「被災者に対する旅館ホテルの入浴施設の無料提供」を滋賀県と協定締結したものである。
組合では、阪神・淡路大震災発生を契機に被災地支援や災害対策を県域の業界全体として取り組むべく検討をはじめ、財団法人滋賀県生活衛生指導センターと連携して、県域に広範囲で分布している多くの旅館・ホテルならではの支援活動を展開する構想が立ち上がった。
組合では実行性を高めるため内部で検討会を重ね滋賀県当局との折衝の後、「災害時支援協定」として締結し、官民が連携した支援対策が実現したものである。

2.事業・活動の内容
本事業における県との協定「災害時における被災者に対する旅館・ホテルの入浴施設の提供に関する協定書」のポイントは以下の7つである。
1.滋賀県知事は、大規模地震、風水害その他災害が発生した場合、被災者へ入浴利用の提供が必要と認めた場合、「入浴利用提供要請」により組合へ協力を要請(緊急時、電話等で要請)。組合は要請に基づき速やかに入浴施設を調整のうえ提供。
2.入浴利用提供に協力する施設は、提出した名簿の組合員。
3.県と組合は、実施責任者をそれぞれ指定し、「実施責任者届」により相互に報告。
4.実施期間は、組合に要請した日から仮設住宅の避難施設が整備されるまでの間。
5.被災者の入浴料は無料。
6.県は、終了した場合に、組合に「災害時における被災者への入浴利用提供終了報告」を提出。
7.入浴利用の提供に係る経費は、原則として組合(組合員)が負担。

3.成果(今後予想される成果も含む)
現時点では幸いにも県下で大規模災害が発生していないため、実際に組合員の入浴施設を提供した実績はない。しかしながら、本取り組みの意義や組合の社会的貢献度が高く評価され、マスコミにも取り上げられるなど業界のイメージの向上につながっている。また、東日本大震災に関しては、地震発生より迅速に情報収集にあたり、県に対しても避難者への宿泊施設提供を提案するなど、協定を締結したことによる官民ネットワークが効果的に動きだしている。
また、組合員においては万一の際、お世話になっている地元消費者に恩返しできる仕組みができたことや、経営者のボランティアに対するモラルの向上が図られるなど、意義のある成果・効果が出たと認識している。


協定調印式の様子


協定調印式の様子


災害時支援協定書

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熊野ワークス企業組合

※多彩な企業組合(平成22年度調査)
熊野地区住民が一丸となり人気キャンプ場運営を受託

過疎化集落「熊野」住民が力を合わせ、人気キャンプ場「グリム冒険の森」の指定管理者として運営を受託。棚田保全活動なども合わせて、地域の重要な施設に成長させた。

1.背景と目的
本組合は、町営施設「グリム冒険の森(コテージ&オートキャンプ場)」の平成17年における指定管理者制度の受託組織として、熊野地区の地元住民が中心になって設立された企業組合である。組合員は、地域住民を中心として25人となっており、事業実施にかかる従事組合員数16人、うち7人のスタッフで運にされている。組合員には、町営時代からの従業員も3名含まれており、同施設に関連する多種多様なイベントなど活発な事業活動を行っている。

2.事業・活動の内容
グリム冒険の森を中核とした事業運営を図っており、事務局長を中心に現場実務を7人のスタッフで推進している。主要事業は、収益事業の「コテージ&キャンプ場運営」、地域貢献型の非収益事業である「棚田保全活動」や「農家民泊」の支援窓口事業の3つである。「グリム冒険の森」は、グリム童話の生みの親、グリム兄弟がエッセンスを収集したといわれるドイツ・メルヘン街道に似ているところから作られた自然環境豊かなエリアにある施設である。「森の学校&リース&草木染め体験」「石窯オーブン体験」など多種多彩なイベントを連携させ、シーズン中はほぼ100%程度の稼働率を達成している。また、農家民泊は、日本各地の学校から自然体験型修学旅行生を受け入れ、近年ではオーストラリアなどの学生など海外からの引き合いも増加している。
さらに、関連事業として「マウンテンバイク大会」の運営協力など同地域を中心とした各種地域イベントでも重要な拠点となっている。

3.成果(今後予想される成果も含む)
キャンプ場等の運営により安定的な収益を上げている。多種多様なイベントの実施によるコテージやキャンプ客の魅力を高めることで、平成21年度に売上高約4800万円、当期純利益363円と黒字経営を続けている。また、非収益活動においても、放置されつつある棚田の保全活動や過疎化が進んだために休止していた夏祭りの再開など地域の活性化に寄与している。


キャンプサイトの様子


草木染め体験


石窯オープン体験


コテージ

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滋賀県製麺工業協同組合

※販路・市場の開拓(平成22年度調査)
強い結束力により「近江うどん」ブランドを立ち上げ

地域ブランド「近江うどん」及び「近江牛うどん」を開発・確立し、組合の中核事業として厳しい組合環境を乗り越えて行くため積極的に販路開拓に挑んでいる。

1.背景と目的
当組合は、戦後まだ物資が豊かでなかった昭和24年に県内の乾麺製造業者らが設立した組合である。近年の国産小麦やそば粉の相場高騰による収益圧迫といった内的要因や、大手スーパーの過当競争の影響を受け、麺類の低価格化が進むなどの外的要因が原因となり、小規模組合員を中心とした廃業などによる組合員減少が組合の重要な懸案事項となっている。これら厳しい組合を取り巻く経営環境を克服するために、平成19年度から本事例で取り上げる「近江うどん」の地域ブランド確立に取り組んだ。

2.事業・活動の内容
本事業は、平成19年度に財団法人京都食品センターの助成を受けて立ち上げ、差別化のキーとなる原材料「滋賀県産小麦・ふくさやか」の確保と、本材料を100%使用した「近江うどん」さらには滋賀県の特産品として有名な近江牛とのコラボレーション商品である「近江牛うどん」を開発し、地域ブランド確立することを目指すものである。事業活動の仕組みは、組合全体でブランド確立に向けての指針等を整備し、実践的に販路開拓に取り組むことを目的とした「近江うどんブランド化協議会」を有志組合員6社で組織し、事業のリーダー的存在として組合をけん引するという構造を持っている。
3.成果(今後予想される成果も含む)
事業立ち上げからわずか3年程度で市場供給体制にまで移行し、平成21年度には26万食を達成した。子供たちの高い評価がエンジンとなり大津市の学校給食への導入が決まり月2万食(年間24万食)の供給開始が見込まれるなど、地域とのかかわりの中で着実に販路を拡大している。これらの事業成果を受け、売上の3%を組合へ収益還元するという直接効果のみならず、組合員それぞれの事業においても大手企業との取引き開始など、組合員レベルでもその波及効果が出ている。
将来ビジョンとして年間100万食/1億円供給することを目指しており、大手企業とのWEB取引きの仕組み作りやさらなる知名度向上のための各種イベントでの試食販売活動、またメルマガやブログなど組合としての情報発信活動に取り組んでいる。


近江うどん「三方よし」


近江牛うどん


イベントでのPR販売

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やわた夢生小路商店街振興組合

※地域商業の活性化(平成21年度調査)
住民参画によるコミュニティホールの多角的事業展開

商店街の中核施設として古民家を改装した心理的癒しのスペース「コミュニティ・ホール川崎や」が住民参画型商店街という新たな切り口で街づくりに機能する

1.背景と目的
当商店街は平成7年それまでの商店街任意組織から商店街振興組合へと法人化に取り組んだ。しかしながら、郊外大型店及び活性化が進む黒壁エリアに挟まれ、中心市街地からも外れていることから、20年前にあった58の商店が18にまで減少し、商店街の体裁すらなくしてしまっていた。このように歴史的背景がきっちりしたこの街を再度活性化に向けて活動を開始しようと組織面では法人化を進め、そのコア事業として平成14年8月に商店街の中心にあり活用されていなかった古民家をコミュニティ・ホールとして再生し、商店街の各施設として機能させようとしたものである。

2.事業・活動の内容
このコミュニティ・ホール「川崎や」は、もともと商店主を含む地域住民が子供のころに慣れ親しんだ「うどん屋」が営まれていた建物であり、中高齢者にとっては心理的癒しの場所(懐かしい思い出が詰まった場所)であることから、その復活を喜ぶ多くの人たちの支持のもとに多種多様なイベントを展開するスペースとして機能している。 現在の活用内容は大きく以下の4つがある。
①ライブコンサートの定期開催:若者たちの隠れた音楽のメッカとして機能
②商店街イベントの各施設として機能:八幡宮・盆踊り、曳山祭り協賛事業、年越し蕎麦振る舞い等
③地域住民のコミュニティスペースとして機能:サークル活動やギャラリーとして活用
④街づくり等の会議スペースとして機能:街づくり関連会議の開催など
これらは街づくりをみんなで参画して進めていこうという商店街の意向から、開催者の独自運営を基本としており、商店街はこれらの活動を支援する立場をとっている。

3.成果(今後予想される成果も含む)
4つの主要事業はそれぞれ活発に行われつつあり、現在平均して毎月10回程度利用され、とくにコアイベントとなっている若者のライブコンサートは毎月2~3回程度開催され、仲間を広域から呼び込むことで隠れた音楽スポットとして人気を博している。また、「ホタルを増やそう」といった景観づくりなど直接街づくりに関連する会議が開催されるなど今後も活発な利用が期待されている。


コミュニティーホール「川崎や」


ライブスペース 【滋賀県】


川崎やロゴ 【滋賀県】

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滋賀特産品振興企業組合

※新製品・新技術・新サービスの開発(平成21年度調査)
農商工連携でこだわり農産物加工品製造販売体制を構築

農業生産者との密接なネットワークを構築し、安全安心な農産物加工品を開発。農商工連携を基本戦略として「はたけやブランド」で全国展開を目指す

1.背景と目的
近江野菜を核として滋賀県の地域・地場産業の活性化をめざし平成11年8月設立の「農事組合法人しがらきパティオ」を前身として設立された本組合は、この想いを承継し農産加工品の製造販売を目的に事業活動を行っている。滋賀県の有力農産物生産者との密接なネットワークをベースに、信頼できる安心・安全な加工食品製造と販売を目標としており、「地域貢献」「相互扶助」「感動の提供と感謝の共有」という共通理念が基盤として機能している。

2.事業・活動の内容
現在、農事組合法人しがらきパティオ時代に開発された「お茶のジャム」「八味とうがらし」「茶塩」の拡販を事業の中心に置き、直営店及び高速道路サービスエリアなど50カ所の販売チャネルを開拓している。また、販売コーナーを併設する直営レストラン「菜園キッチン・hatakeya-はたけや」を滋賀県栗東市に開設し、今後上記加工品を含めた「はたけやブランド」を確立することで、滋賀県以外エリアへの進出を視野に入れている。 商品開発は、コア事業であり、現在新たなアイテムとして「お茶ドレッシング」の開発に取り組んでいるところである。これは平成21年度に認定された農商工等連携事業計画に基づき展開しているもので、滋賀県の有力緑茶生産者とのコラボレーションを実現している。本組合は「新商品開発」「近江野菜のブランド化及びはたけやの多店舗展開」「知的資産の強化」を将来ビジョンの柱としており、知的資産経営報告書に取りまとめ、計画的な事業推進を図ろうとしている。

3.成果(今後予想される成果も含む)
前身のしがらきパティオ時代に商品開発が完了していることから、組合設立後すぐに販売の体制に入ることができた。この1年の成果として、①お茶のジャム:平和堂等での販売開始から10日間で約500個の販売実績をあげる、②茶塩:平成21年8月に新名神高速道路土山SAに512本の納品、③八味とうがらし:同土山SAに納品・160本/平成21年8月、185本/平成21年3月といった顕著な実績をあげている。また、菜園キッチン「hatakeya-はたけや」業態を確立し、今後の多店舗展開に向けて期待される。


菜園キッチン「hatakeya」


茶塩と八味とうがらし

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花しょうぶ通り商店街振興組合

※連携による事業展開(平成20年度調査)
心の元気を発散し、パワーの発信源になる商店街の創出

商店街振興組合とその組合員有志が「有限責任事業組合ひこね街の駅」を設立し「戦国遊びを事業の柱」にしてオリジナル商品、イベントを創出して日本一の戦国商店街を目指す。

1.背景と目的
商店街の空き家対策として、古民家を伝統工法による耐震工事で改修(日本耐震グランプリ総理大臣賞受賞)し、 1号店「ひこね街の駅 寺子屋力石」を開店。児童の復習塾、陶芸教室などを企画して地元住民に親しまれる商店街 を目指していた。その中で2号店開設の構想が浮かんだが、商店街振興組合での事業展開を続ける事は難しく、 より柔軟性のある組織体である「LLPひこね街の駅」を設立。両組合が「戦国遊び」のテーマを事業の柱として共有し、 開設された店舗を核として商店街振興を展開していくこととなった。

2.事業・活動の内容
両組合に共通するスローガンとして、「100の愚痴より10の提案、10の提案より1の実行」を掲げ、常に前向きに事業展開 を図ることを前提で商品やイベントの企画に取組んでいるため、組合員からは積極的な考え方が競って出されるようなになり、 心の億万長者の商人達(All for One One for ALLの精神)が営む商店街が出来上がっている。旧銭湯を改装して作られた2号店 「ひこね街の駅 戦国丸」では、店内に戦国武将の軍旗14枚が飾られ、戦国時代の物語のVTRが常時上映されている。 戦国武将に因んで着想したキャラクター「いしだみつにゃん」「しまさこにゃん」は、「ひこにゃん」に並ぶご当地キャラクター となり、店内には商店街メンバーが創作したキャラクター商品やLLPひこね街の駅の企画委員会で審査・製作されたシリーズ商品 が販売されるほか、各キャラクターの着ぐるみは各地のイベントに貸出されている。また、新たな戦国キャラクターとして、 大谷吉継をモチーフにした「おおたににゃんぶ」も考案され、当商店街を拠点とするキャラクターは3つになった。
そのほか、それぞれの武将の物語を各武将の拠点になっている店舗においてその物語を聞くことができるなど、徹底して 「戦国遊び」をテーマにしたLLPと商店街の連携がなされている。

3.成果(今後予想される成果も含む)
当商店街では商店街振興に携わる人達の「心」の活力が相互に伝播し、事業推進していく上でのパワー源になっており、 それに魅力を感じる人達が集まってくる状況となっている。また、振興事業の柱になっている「戦国遊び」では佐和山城址、 石田光成などの地域に語り継がれる史実を徹底的に掘り起こして商店街の活性化に結び付けているため、昨年の彦根城築城 400年祭後の今年でも「戦国丸」の売上高は倍近く伸びている。
今後、両組合のメンバーらは、空き家を利用して地域住民と来訪者の心が満たされるような事業展開に取組むこととし、 顧客の心を満たすことが出来るような商品、イベントの提供に情熱を燃やしている。心の億万長者の商人達が住む限り、 見通しは明るく伸びていくに違いない。


ひこね街の駅「寺子屋力石」


ひこね街の駅「戦国丸」


花しょうぶ通り商店街の案内看板

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滋賀県広告美術協同組合

※環境重視社会への対応(平成20年度調査)
環境配慮事業活動を通じて社会と組合員に貢献する

官公需適格組合認証を昭和61年に取得して、共同事業を通じて県内広告美術業界の発展を図ってきた。また、GPプラン滋賀(グリーン購入実践プラン滋賀県登録制度)に登録し、循環型掲示板の採用度を高めるPR活動を推進し、環境問題と事業活動の両立を図ることで社会貢献する。

1.背景と目的
当組合の組合員企業は小規模企業者が多く、滋賀県外から参入する企業を含めて業界の受注競争は激化している。その中で、大型物件に関する受注競争力対策として、また共同受注事業の強化を図るため、昭和61年官公需適格組合認証取得した。近年、滋賀県が推進している環境問題で経営体質を強化することが最適との結論に達し、「GPプラン滋賀(グリーン購入実践プラン滋賀県登録制度)」に登録。環境配慮事業活動を推進し、循環型掲示板の開発を行い、組合を上げてPR活動を展開することとなった。

2.事業・活動の内容
循環型素材で製造されたリサイクル品(エコマーク認定品ABS再生材料EFボード)を活用して、「公営選挙ポスター看板」の製造販売を実施している。これは、組合で木枠付きのEFボードを調達して組合員に販売し、組合員は看板の設置から維持管理及び回収、リサイクル証明書を発注者に提出するまでを行うもので、一貫した受注・管理・回収システムが組合員全員に普及しているため、発注元の選挙管理委員会も安心して発注することが出来るようになっている。また、回収された使用済みEFボードは、リサイクル業者により処理されて100%リサイクルされるため、選挙におけるゴミの減量に貢献しているといえる。
その他、組合では選挙ポスター看板の設置・管理チェックシートがあり、組合員に対して当シートの活用を指導し、問題が発生しないよう予防処置に万全を期している。万が一、品質問題が発生した場合には、事務局、支部、担当組合員が協力して調査を行い、素材メーカーの協力も得て原因の究明と再発防止策を講じて担当組合員・発注担当者に報告するまでの体制が組合に構築されている。

3.成果(今後予想される成果も含む)
滋賀県下での選挙の際には、継続的にEFボードでの選挙看板の設置業務を受注し、今後も環境への配慮の高まりから、受注は拡大してゆくと思慮される。また、官公需適格組合認証取得及び「GPプラン滋賀」の登録を機会に入札参加が有利になり、共同受注は順調に推移し向上している。
併せて、受注物件の品質向上を目指す体質作りとして、広告美術技能士の資格取得者育成を実施。技能検定を行い延べ70名の技能士を育てた。また、大型物件は組合が受注活動を行うことを基本としながら、組合員と受注がバッティングする場合は、組合は側面支援に留めて共同受注の円滑化を図っている。


ABS再生材料EFボ-ド製「選挙看板」
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協同組合 坂浅土木工業会

※共同事業を通じた生産性向上(1)建設業(平成19年度調査)
生コンの共同生産販売と情報化による成長

生コンの調達と適正価格維持のため、共同生産と販売を実施。所期の困難を克服し、事業を軌道に乗せ、また、情報提供事業により、組合員の社会的地位が向上した。

1.背景と目的
生コンクリートの調達が、零細な土木建設業者である組合員では難しくなり、購入価格も割高となっていた。 そこで、当組合では、この問題解決に共同生産を計画し、採算をとるため、生コンの販売会社を組合内に設立 した。

このように経済事業を持つことにより、組合員の福利厚生面の向上並びに組合員に対するあらゆる支 援が可能となった。例えば、組合員に対するOA化の支援及び指導が大々的に行えるようになった。さらに、 県の建設工事業者に対する格付けランクの上位に組合員を上げるため情報提供事業を開始した。

2.事業・活動の内容
昭和54年には、組合の基盤を強固にするための事業として生コンクリート共同生産販売事業を開始した。 さらに、この生コン事業の業務処理のOA化を積極的に推進して、先ず、組合事務局のOA化を軌道に乗せ、 引き続いて組合員企業のOA化に取り組み、徐々に本格稼働へ移行した。また、生コン工場の主要設備をIT 技術を駆使した二軸強制練りミキサーにリプレースした。滋賀県下では、当組合のみ設置している設備である。

3.成果(今後予想される成果も含む)
生コン販売会社設立による共同生産、販売事業は、組合員の側面的な支援を行い、工事が確実に施工される とともに、組合の財政にも貢献した。また、情報提供事業により、組合員の格付けランクは漸次向上し、組合 員の所在する滋賀県の湖北地区では、多くの組合員が上部クラスに位置している。組合員の利用率は8割を 超えており、この事業への組合員の関心が高いことが分かる。

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滋賀県扇子工業協同組合

※地域資源を活用した事業展開(平成19年度調査)
道の駅「藤樹の里あどがわ」を活用した扇子情報の発信

道の駅「藤樹の里あどがわ」に併設した扇子の常設展示販売場と実演・体験工房を活用した事業展開

1.背景と目的
高島扇骨の生産量は、戦後に一時、年間1,330万本(昭和33年)に達したが、扇風機やクーラーの出現 で涼をとる普通扇の需要が激減し、昭和38年には500万本まで落ち込んだ。その後徐々に回復し、現在は 年間約740万本位の生産量で推移している。
商品構成は、普通扇(夏扇)35%、飾り扇30%、舞扇20% その他15%となっている。一方においては、製造技術が海外流出し、量産を始めた低コストの中国産の扇骨 に押されるという厳しい環境に直面している。

2.事業・活動の内容
旧安曇川町商工会では平成12年度から、町内の商工業者、行政、一般住民の代表による地域資源調査委員 会を設置し、安曇川町の自然、歴史、文化、人物、物産などの地域資源を特産品開発と観光振興に活かすため 地域資源調査事業を実施してきた。
その結果、特産品開発においては「環境にやさしい資源としての竹の活用 」、観光振興においては「継体天皇に関連する遺跡や田中城跡などの歴史的資源の活用」を重点テーマとして 具体的な取り組みを進めてきている。地域振興のための産地化形成の要因の一つを「近江聖人の里・びわ湖こ どもの国、竹と扇子の里」として、道の駅の各施設を核に、扇骨・扇子文化を発信する事業を展開している。

3.成果(今後予想される成果も含む)
①道の駅「藤樹の里あどがわ」を中心にした地域一丸となっての活性化の推進と、②固定観念にとらわれな い新規需要の新用途開拓を積極的に推進したこと、の2点が成功の要因と考えられる。
高島扇骨は、滋賀県指定の伝統工芸品でもある。このように伝統的な技術分野に最先端の技術であるところの レーザー彫刻機械を導入したことにより、顧客ニーズに即応した扇子(マイせんす)も提供できるようにした 。伝統技術と最新技術の組み合わせが、時代にマッチしたヒット商品の提供を実現した事例であるとも言える。   道の駅を核に、今後ますます、高島扇骨・近江扇子事業が発展する可能性に期待が寄せられている。


道の駅 「藤樹の里あどがわ」

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湖東繊維工業協同組合

※新たな販路・市場開拓(平成18年度調査)
地域ブランド「近江の麻」の振興に組合挙げての取組

組合の女性部・組合員有志により「近江の麻」テキスタイルデザインの研究を行う。組合員はその成果を商品に反映させ、販路開拓は展示会で実施し高い評価

1.背景と目的
中国からの低廉な輸入品は品質も良くなり、在来の商品開発を続けられなくなった。「近江の麻」の産地振興を図るために商品の消費者に該当する女性の感覚をデザインに応用する必要があるとの認識に基づき、女性部が中心になって「近江デザイン研究会」を組合で発足させ、組合員有志の参加を得て「滋賀の色」54色を滋賀の自然の中からカメラで収集し、デザインに反映させる研究を行った。
研究成果を組合員が個々に商品開発に応用し、試作品を展示会に出展、好評が得られ販路開拓に寄与した。

2.事業・活動の内容
組合の役割は「近江デザイン研究会」推進の場提供、展示会の企画実施。組合員は研究されたデザインを商品開発に反映させ、試作品を生産し展示会に出展、受益者負担の原則に基づき、応分の賦課金を拠出する。
「近江デザイン研究会」の主体的な運営は女性部であるが、研究に関心のある組合員は任意参加可能とする。 このように個別企業で実施困難な事業は組合で実施、意欲のある個別企業は何時でも任意に参加可能とした事業運営を行っている。展示会は組合員の販路開拓の拠点との位置づけがされていて、展示会で要求されたこと、反応を示された事が全て以降の商談契約に役立てられている。

3.成果(今後予想される成果も含む)
OTC展では来場者250名を迎え、試作依頼、共同開発の申し出を受け好評を得た。出展者の中では150~200枚の見本の送付依頼を受けて商談の機会を確保する結果を得ている。目下、「近江の麻」「近江ちぢみ」の地域団体商標を特許庁に申請中で、審査承認された上でラベルを組合で企画販売し、組合員は地域ブランド品のPRに寄与する。併せて組合の財務基盤確保に役立てる予定である。
夏物商品から年間を通じて利用される商品開発にも注力し、産地振興に貢献する事が組合の使命と 課題を明確にして取り組み中である。


ジャパン・クリエーションに出展

滋賀県の色を織物で表現した企画・展示


滋賀県の風景やイメージする言葉から抽出した38色の糸