令和4年

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滋賀県麻織物工業協同組合

組合員の意識改革を行い、SDGsの意識共有を実現
住所 〒529-1331 滋賀県愛知郡愛荘町愛知川32番地の2
設立 昭和32年1月
出資金 3,509千円
主な業種 繊維工業
組合員 7人

背景・目的
近年、当組合では持続的発展のため伝統技法を重要視する市場の意向を感じていたところ、ヨーロッパ進出の際にはオーガニック素材の使用等でSDGsへの取組みを当然のように求められるなど、SDGsへの取組みは産地組合として取組まなければならない喫緊の課題であった。これを受け組合内を確認すると、自然の素材を取扱い、伝統継承を担っている取組みそのものがSDGsであるにも関わらず意識が薄かったので、モノづくりの組合としてSDGsの実践を進めたいと考え活動を開始した。

取組みの手法と内容
事務局長を含めた職員2名がキーマンとなって活動を推進した。まず初めに中央会の主催するSDGsセミナーに参加して概要を把握した後、専門家派遣制度を活用してSDGs行動宣言書の原案を作成した。その後、組合員のなかで徹底的に話し合って宣言書を完成させた。

宣言書を完成させるまでには、地球規模のテーマであるSDGsの理想が高すぎ、できない事を宣言したくない等、SDGsへの取組みに対する組合員の理解が得られない状況だったが、事務局が中心となり個々の組合員との話し合いを重ね、SDGsとは大きな目的に対して動くプロジェクトではなく「今実施している事業内容から出来ているSDGsへの取組みを見つけ宣言する身近な活動」であることを組合員の中に浸透させていった。

行動宣言後には、近江上布伝統産業会館にてSDGsに関する展示会やスペシャルトークを愛荘町内の他団体の出演を得て開催したり、「SDGsと麻に親しむ夏休み」と題した子供向けワークショップを開催したりするなど、行政を含めた地域全体のSDGs活動を周知することができた。こうした取組みが企画会社の目に留まり、県内私立高校からSDGsに関する校外学習の申込みに繋がるなど、当組合のSDGsへの取組みが周囲に浸透しつつある。

成果とその要因
定性的な成果として、SDGs行動宣言書を作成し世の中に周知できたことと、組合員のSDGsへの意識を向上させ持続的発展のため新たな事業を模索する機運を盛り上げられたことがある。

要因は従前から地道に行ってきた組合事業の大半がSDGsの理念に沿ったものであったこと、これに加え組合事務局職員2名が中心となって組合員に対して粘り強くSDGsの意義を説明し続け、賛同する仲問を一人また一人と徐々に増やして進めたことにある。

POINT

組合事務局職員が、SDGs活動に対する揺るぎない信念を持ち、粘り強く周囲を巻き込み活動する強力な変革のリーダーシップを発揮することである。


SDGs宣言書


スペシャルトークの会場風景

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滋賀県テント・シート工業組合

業界の持続的発展を目指し、他府県の同業組合へも波及
住所 〒520-3022 滋賀県栗東市上鈎125番地3
設立 昭和55年4月
出資金 850千円
主な業種 衣服・その他の繊維製品製造業
組合員 8人

背景・目的
近年、学校教育を含め世間的にSDGsが浸透していくなか、入札や融資の条件に企業としてもSDGsの取組みを行っていることが求められている。理事長はびわ湖の環境美化活動を行っている知人から、びわ湖を有する滋賀県における企業の社会的存在意義を問われ、事業の様々な場面で発生する産業廃棄物の選別をきっちりと実施していきたいという想いから、SDGsの行動宣言を定めようとしたことが取組みのきっかけとなった。

取組みの手法と内容
推進体制として、坂東理事長を始め計4名の理事を中心に活動した。ただし役職や年齢に関係なく、一つのプロジェクトチームとして意見を出し合い一丸となって事業を推進した。

活動当初はSDGsとはそもそも何か、何をどう宣言すればよいのか全く分からない状況であり、ISO14001のように実際の数値目標を掲げないといけないと思い、行動宣言することに二の足を踏んだ時期もあったが、中央会の主催するSDGsセミナーを受けて数値目標は不要であることに気付き、行動宣言書作成を開始した。

行動宣言書作成を開始したものの、十人十色の組合員の意見をすり合わせることには苦労し、特に地球規模の話から目の前の日々の廃棄物処理に関する話まで、一つのテーマを話し合うにしても組合員によって温度差が大きいことに戸惑いを感じていたが、SDGsの専門家を交えた研修会を3時間ずつ計2回実施し、総合的な観点から一定のレベル感をもって話し合うことで、方向性を統一させることができた。

行動宣言後には、外部に対して積極的かつ丁寧に発信することで、全国各地の同業組合や県内の専門工事業組合へもSDGsを浸透させていき、活動の輪を広げることができた。

成果とその要因
成果は当組合のSDGs行動宣言書を作成できたことはもちろん、当組合のSDGsへの取組みが他府県の同業組合や県内の専門工事業組合へ波及したことである。要因は理事長のリーダーシップの下、積極的かつ事細かく丁寧にSDGsの活動内容を開示し、情報発信したことにある。

POINT

SDGs活動を内なる活動と捉えるだけではなく、理事長を筆頭に組合が積極的かつ丁寧に外部へ情報を開示し発信していくこと。


SDGs宣言書


SDGs宣言の具体的な取組み内容