- 定款変更の効力発生時期について
- 法令の改廃等により当然変更する定款の変更手続について
- 事業年度の変更について
- 規則、規約等の定義について
- 組合諸規程の決定機関について
- 職員に関する定款例について
- 職員に関する規約等について
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定款変更の効力発生時期について
中協法第51条第2項において「定款の変更は、行政庁の認可を受けなければその効力を生じない」と規定されているが、変更した場合、 その効力の発生時期は、認可をしたときであるか、あるいは組合が変更議決をしたときに遡及するか。
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定款変更の効力は、行政庁が認可をしたときに発生し、組合が定款変更を議決したときに遡及しないものと解する。
なお、効力発生時期をさらに厳密にいえば、定款変更の認可は、行政処分であるから、行政庁において決裁を終わった日又は認可書を作成した日にその効力が発生するのではなく、 認可があったことを組合が知り得たとき、すなわち認可書が組合に到着したときから効力が発生することになる。
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法令の改廃等により当然変更する定款の変更手続について
問1
法令の改廃により既存の定款の規定が当然に変更される場合の定款変更は、変更される定款の規定は法律上無効であるから、総会の議決を経ないでこれを変更することができるか。問2
事務所の所在地が、行政区画の変更により変更する場合等定款規定の中で事実に基礎を有するものは、その事実の変更により定款を変更する場合には、上述の理由により、総会の議決を必要としないか。 -
法令の改廃による定款変更であっても総会の議決並びに行政庁の認可は必要であり、行政区画の変更等に伴う定款変更についても同様と解する。
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事業年度の変更について
某組合の事業年度は1月1日より12月31日であるが、00年5月1日に、有効な総会において、8月1日より7月31日と変更議決し、同年5月10日に変更認可を受けた。 この場合、変更時の事業年度はどのようになるか。
なお、通常総会はどのように開催したらよろしいか併せて教示願いたい。 -
定款変更の議決において特別の定めがなかった場合は、定款変更によって新たな事業年度の始まる8月1日の前日である7月31日までが事業年度とされる。 その際、二の事業を明らかにする主旨から定款の附則に、例えば、「○○年に限り、事業年度は、00年1月1日より同年7月31日までを1事業年度とする。」等の規定を設けることが適当と考える。
なお、通常総会については、経過措置として事業年度が1月~7月に短縮されても、毎事業年度1回開催されなければならない(中協法第46条)ので、当事業年度について必ず開催しなければならない。
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規則、規約等の定義について
協同組合の運営上、諸規約諸規程の設定は必要欠くべからざるものであるが、これらを作成するに当たって次の原則的な説明と相違点並びにその使用される場合の事例をお知らせ願いたい。
(1) 規則とは
(2) 規約とは
(3) 規程とは
(4) 規定とは -
規約、規程については必ずしも明確な区別はなく、混同して使用されているので、一般的に定義づけることは困難であるが、従来の習慣並びに字義により区別すれば大要次のとおりと思われる。
(1)規則とは、広義に規則という場合、諸々の事項を規定した例えば定款とか規約とか、規程等を総称していわゆる「さだめ」をいうが、 最狭義に規則という場合は国の立法機関としての国会以外の機関が制定する成文法=それらは名称を規則というだけで必ずしも法的性格を等しくするものではない=をいい、 現在、最高裁判所や衆・参議院等特定の諸機関が規則制定権を認められている。なお各大臣が主任の行政事務について発する命令が規則という形であらわれていることもある。
(2)規約とは、例えば協同組合等が組合の業務運営その他一定の事項に関し、組合と組合員間を規律する自治法規であって定款と同様、総会において決められるべき性質をもったもので、 選挙規約、委員会規約、金融事業規約、共同購買事業規約等がある。
(3)規程とは、例えば協同組合が組合の事務、会計その他に関して定める内部的な規律であって、主として事務遂行上必要な関係を規律する内規的なもので、 理事会等に諮り決定し得る性質をもつもので、文書処理規程、服務規程、経理規程、給与規程等がある。
(4)規定とは法律、定款、規則、規約、規程などの条文に定められている個々の内容をいい、普通は条文の内容を指すものと考えてよい。
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組合諸規程の決定機関について
本組合では、組合運営に必要な規程類を現在作成中であるが、下記のものは総会の承認を得る必要があるものか、理事会の決定のみにてよいものか教示願いたい。
記
文書処理規程、服務規程、人事規程、給与規程、退職金規程、昇給規程、旅費規程 -
組合の文書処理規程、服務規程、人事規程、給与規程、退職金規程、旅費規程等主として組合の業務執行上必要な関係を規律する内規的なものの決定は、 理事会の議決をもって足り、総会の議決を経る必要はない。
ただし、給与規程、退職金規程が常勤等の役員に適用される場合は、理事会の決定では事柄の性質上適当でないので、総会の議決を経て決定するのが望ましい。
なお、役員選挙規約、共同施設利用規約(実際には役員選挙規程、共同施設利用規程といっている場合が多い。)等組合の業務運営その他一定の事業執行に関し、 組合と組合員間を規律する自治法規的なものについては総会の議決を経て決定しなければならない(中協法第34条参照)。
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職員に関する定款例について
事業協同組合定款例の職員に関する規定について次の点を回答されたい。
定款例第38条(参事及び会計主任)と同39条(その他の職員)の規定は、なぜ同一条文にならないのか。 -
参事及び会計主任は、組合の使用人であるが、実質的には代表理事の補佐役(特に参事は組合に関する一切の代理権を有する)としての 重要な地位を占め全組合員の利害に重大な関係があるので、その他の職員とは別条にしているのである。
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職員に関する規約等について
某信用組合においては、職員設置規定を定款より削減し、すべて「規程」によりたい考えであるが、次の事項について回答頂きたい。
(1)定款の職員設置条文は、職員の身分保全のためにも、残した方が良いのではないか。
(2)「規程」は、組合内部業務執行事項で理事会により決定され、人事については総代会の意思反映が全くなくなるので、 人事規程を「規約」として総代会承認事項とするのが指導上適当でないか。 -
(1) 職員の設置規定は、定款の任意事項で記載するか否かは、組合の自由であるが、職員を設置する組合においては、職員という機構を置くことであり、 定款に職員をおくと定めることが望ましい。
(2) 人事権の伴わない経営の執行はあり得ないことであり規約として総代会の承認を必要とさせることは、 このような理事会の業務執行に関する権限を大幅に減少させることにもなりかねないので好ましいことではない。 したがって、仮に総代会において定めるとしても、事務組織などの基本原則に止めることが適当である。
なお、労働基準法においても使用者の概念は業務執行者である代表理事を指しており、労務契約についての権限は総代会にあるよりも理事会におくことが望ましい。
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