本事業取組み動機となったのは、個別組合員の大手取引先がSDGsへの取組みを進めていること、および組合事業の停滞という2つの側面があり、実現のエンジンである。
1.背景と目的
当組合は電算機の共同利用など先駆的な取組みを重ねてきたが、時代の変遷とともに核となる共同事業を失いつつある。そこでこれまで培ってきた組合運営ノウハウや強み・弱みを洗い出し、今後の新規事業創出の判断材料にするため知的資産経営報告書を作成。その活動の延長として今後の活動目標の指針となるSDGs宣言を組合として滋賀県で初めて行った。
2.取組みの手法と内容
コンピューターの共同利用が廃止となり、金融事業の利用度が低下するなど停滞を招いていることを背景に新たな事業展開を模索。そこでまず当組合の強みを改めて見つめ直し、再構築するために知的資産の掘り起こしを行い、知的資産経営報告書の取りまとめを行った。その後組合創立70周年を節目に、世界的に注目されている持続可能な開発を目指すSDGsへの取組みを組合事業の方向性として共有し、その活動を推進することとした。
具体的には、「人の育成・労働環境の充実」「ものづくり企業としての技術革新や環境に優しい生産活動の推進」「社会貢献も含めた地域・社会との関わりの深化」の3つの柱を新たな共同事業のコンセプトとし、SDGs宣言の形で組合内外に基本姿勢を訴求することを目指した。
「人の育成・労働環境の充実」に関しては、パンフレット「SDGs行動宣言」を発行し、展示会等での活用など具体的な組合活動に展開している。
推進体制は、中央会における全体的な支援のもと知的資産経営報告書策定に関して専門家の支援を受けて推進、SDGs活動は理事長のリーダーシップのもとで組合員の協働による展開を図った。
今後の展望として、理念的な概念であるSDGsに対する各組合員事業所内部での理解促進及び具体的な改善活動につなげられるようにダウンサイジングしていくことが重要と認識されている。
3.成果とその要因(目標達成状況や今後の期待成果を含む、成果要因・奏功エピソード)
本組合は、理念「強存彊栄」を軸に結びついた異業種組合である。そのために組合員の結束力が高く、本事業に際しても①基本理念の共有、②新規共同事業開発の必然性、③個別組合員のビジネス上の要請という3つの要因が共有された。
特に③、大手取引先からのSDGsへの取組み要請に応えることは、現実のビジネスに貢献することが期待される。
啓発パンフレット作成の様子
完成した啓発パンフレット