店の外観と街路灯など路面部を同時に整備することでまとまりのある景観へと一新した。また、環境美化活動を行いつつ消費者に専門知識を提供する場を設け、求心力を強めた。
任意団体として古くから活動してきた商店街は、アーチやアーケード建設、景観整備などにおいて組織的な活動を行ってきた。しかし、設備の老朽化に加えて空き店舗が増加し、売上額も減少傾向にあった。この空洞化に歯止めをかけて店の繁栄と会員の連帯感の高揚に努め、環境問題をテーマに活性化に取り組むため、平成11年に組合を設立した。
設立後すぐに共同化事業基本構想策定事業に取り組み、活性化に向けての基本構想を練り上げた商店街は中心市街地活性化法の適用を受け、平成12年度にファサード整備事業を行った。以前はアーケードとアーチを改装する構想もあったが、他の商店街の事例などを鑑みてアーケードを撤廃して昼間の店先を明るくする一方で、個店の外観はアースカラーの欧風調とし、さらに2階外壁にプランターを設置することで商店街は明るい街並みへと大きく変わった。これに続いて県の工事による街道整備が行われた。デザインなど商店街の意向が反映され、段差の少ない歩道などバリアフリー化を実現する事ができ、商店街もロゴマーク入りの旗をつけることで景観は一新し、イメージアップを図る事が出来た。
また、女性部組織が中心となって各店舗の専門知識を提供する「店先カルチャー教室」を開催し、毎月大きな賑わいをみせるなど店舗をアピールしつつ親しみやすい商店街を実現している。さらに空き容器回収機を設置し、景品を各個店商品のサービスチケットとすることで環境美化と商業をうまく連動させている。平成14年9月からはTMOの事業であるチャレンジショップを誘致し、空き店舗の活用と賑わいの創出、新規創業者の育成を目指している。
ソフト面の事業展開はまだ初期段階であり、売上高・客数等の増加の判断はもう少し将来に据え置きたいが、「気持ちよく歩ける商店街」という認識は地域住民の間で浸透し始めている。商店街では住環境と商店街の融和をより一層推進していく為、ファサードにおけるイルミネーション事業の計画も現在進行中である。