先進組合事例

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ひこね繊維協同組合

社会貢献・SDGs(令和1年度調査)
トランスジェンダー向け下着の開発

LGBT対応というデリケートな課題にもかかわらず、トランスジェンダーの当事者の方との接点開拓と本音(ニーズ)を丁寧にヒアリングできたことがキーと思われる。

1.背景と目的
当組合は、下請け工場が多く受注量が不安定という厳しい状況が続いており、これを打開するための新たな商品開発が課題となっていた。
そのような中で、LGBT対応という社会的な要請を背景にして、「トランスジェンダーの方が下着で困っている」という問合せが寄せられたため、組合として前向きに取り組むこととした。

2.取組みの手法と内容
2017年度に内部で検討を行った後に、事業開始し、2018年11月の製品化まで一連の流れとなっている。
事業の推進は、理事会の下に製品開発を担う「プロジェクト・チーム」を立ち上げ、製造管理と販売・ブランディングのリーダーと事務局が中心になって取り組む体制とした。具体的な試作や製品の製造は、組合員の各事業所が主な4つの工程を分業することで行った。
まず、内部検討及び事業開始の段階で、一般社団法人LGB.Tからの引合いを契機に、事業を開始させた。
そしてニーズ探索のため、2018年5月に大阪で開催した会議にはトランスジェンダーの方にも参画してもらい、具体的な問題などについてヒアリングを行った結果、開発方針は「一日着ていても疲れないフィット感を実現すること」及び「年間を通じて快適に過ごせること」とし、女性用及び男性用6アイテムの試作に取り組んだ。その後、2018年6月~10月にテストを繰り返し、改良を加え製品化した。
市場開拓については、具体的な販売展開は組合員企業の事業とし、クラウドファンディング(FAAVOしが)を活用して取り組んだ。
結果、大手EC通販からの引合いを獲得することに成功し、一方でヤフーショッピングで販売を開始するに至った。

3.成果とその要因(目標達成状況や今後の期待成果を含む、成果要因・奏功エピソード)
当初、目標の6アイテムの開発を達成し、2018年12月にプレスリリースするまでに至った。また、社会的課題の解決であることから、新聞・テレビ等のマス媒体に取り上げられたほか、滋賀県や彦根市の人権関係機関からも評価を受けるという副次効果も得られた。
今後は、多くのトランスジェンダーの方との接点を増やし、より良い製品づくりのため、多くの声を反映させることが課題となっている。


女性の特徴を目立たなくするインナー

男性の特徴を目立たなくするインナー

 

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