組合員

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出資・出資金

  • 員外者の出資について


    中協法には員外者が出資してはいけないという禁止規定はないが絶対にいけないものか、その根拠をどこに求めるべきか。

    組合員は1口以上の出資を有しなければならないということは、中協法第10条に規定するところであり、その出資額を限度として責任を負うものであることも同条第5項に規定するところである。さらに協同組合とは組合員が相互扶助の精神に基づき協同して事業を行うため組織されたものであるから、これらを総合して考えるならば、組合は組合員のためのものであり、員外者が出資するということはあり得ない。
    なお、員外者に組合事業を利用させるうえで必要があるならば、別途保証金等で対応すべきであろう。

  • 組合の債務に対する組合員の責任について



    組合の借入金、買掛金等の対外債務に対する組合員の負うべき責任の限度については中協法第10条の出資金を限度とする有限責任は絶対的なものであるか。
    例えば、総会において、各自の出資金以上の金額を負担すべきことを議決した場合、あるいは、組合員のある特定の者を指名して負担せしめることを議決した場合等、この議決は有効であるか。


    右に関して貸付金、売掛金等の未回収のため、借入金等の返済不能を生じた場合、責任は誰が負い債権の追及はどこまで及ぶか。


    赤字累積による清算の場合はどうか。


    組合がその事業の遂行上、第三者と取引をし、借入金、買掛金等の債務を負い、かつ、その弁済が不能となった場合において、組合員が負うべき責任は、その出資額を限度とし、総会その他の議決をもってしても、これを超える責任を負わせることはできないものと解する(中協法第10条第5項)。
    なお、組合が借り入れた資金を組合員に貸し付けた場合、組合が共同購買をした物品を組合員に販売した場合等において生じた組合と組合員間の債権債務関係については、出資とは関係なく、組合に対して債務を負っている組合員は弁済の責に任じなければならない。また、組合の第三者に対する債務について 全部又は一部の組合員が組合のために連帯して保証をしている場合(いわゆる連帯保証)にその保証をした組合員は、個人的に無限の責任を負うことになる。


    したがって、設問のごとく、組合員に対して出資額以上の責任を負わせること、組合の債務につき、特定の組合員を指名して弁済の責に任じさせること等を総会において議決し、議決なる故をもって負担させることは、法令違反であるから無効である。


    組合財産をもって債務を完済するに足りない場合において、解散をし、又は破産の宣告を受けたときも、組合員の責任は、上述の組合と同様である。
    なお、本問の如き事例も、総会の議決である旨をもって組合員に限度額以上の出損を強制することはできないが、自主的意思によって負担しようとすることを阻止するものではない。

  • 組合出資の差押えについて


    債権者である「組合員A」の申請により、裁判所より、組合に対して、債務者たる「組合員B」の組合出資金について 「債権差押並びに転付命令」が発せられた。この事態に際し次の点をご教示願いたい。
    (1) 組合員の持分と組合員資格はどうなるか。
    (2) 差し押さえた持分又は出資証券が競売される事態に当該組合員が脱退若しくは譲渡を認めない場合。
    (3) 前項において、当該組合員が譲渡を認めた場合、組合がそれを承認しないとき。

    (1)債権者Bの組合員資格は喪失するものでなく、ただ組合よりの配当金が取得できなくなるだけであり、組合員Bの持分が変わるものではない。したがって、組合員Bが脱退し、持分払戻しのできる事態にならない限り転付命令が発せられることには疑問がある。
    (2)組合員が脱退又は譲渡を認めない限り、債権者たる組合員AはBの出資あるいは持分を取得又は承継することはできない。 なお、ご質問の競売については、組合の出資証券は有価証券ではなく、単に出資したことを証する書面であるから、当然競売ということはあり得ない。
    (3)中協法第17条によって、持分の譲渡は組合が承認しない限りできないので、たとえ組合員が譲渡を承認したとしても譲渡は行い得ないことになる。

  • 出資証券の質入、担保について


    事業協同組合の出資証券は、組合の承認があれば金融機関に担保あるいは質入できるか。

    組合員出資証券の質入を禁止する法律規定は何もないので、質入は可能であるが、出資証券は自由に譲渡できず、それ自体換金価値を有する有価証券ではないので、 質権の対象たり得る価値はほとんど有していない。したがって組合としては、これに承諾を与えないことを原則とすべきと考える。

  • 出資証券紛失の際の取扱いについて


    協同組合の組合員が、その出資証券を紛失した場合、組合及び組合員はどのような手続をしたらよいか。

    出資証券は、市場性を有する証券ではないから、一般の有価証券と同様に取り扱う必要はなく、例えば預金通帳、領収書等の紛失の場合の取扱いと同様組合員より紛失届を提出させ、それにより組合は新たに証券を再交付するだけで差し支えない。したがって、公示催告の手続は要しない。

  • 行方不明組合員の出資金整理について


    組合員Aは、○年1月30日に組合に加入し、×年12月30日まで組合を利用していたが、その後行方不明となった。 組合としては、Aの出資を整理し実質上の組合員の出資のみとしたいが、どのような処置が適当か。なお、Aの組合に対する負債はない。

    出資を整理するには、当該組合員が組合を脱退することが前提となり、ご照会の場合の行方不明組合員については資格喪失による脱退か、 又は除名による強制脱退が考えられる。
    具体的事情が不明で判断しかねる点があるが、もし行方不明と同時に事業を廃止してしるのであれば、 資格喪失として処理することが可能と解する。
    この場合、組合員たる資格が喪失したことを理事会において確認した旨を議事録にとどめると同時に、内容証明郵便をもって持分払戻請求権の発生した旨の通知を行うことが適当と考える。除名は総会の議決を要し、この場合除名しようとする組合員に対する通知、弁明の機会の付与等の手続が必要であるが、組合員に対する通知は組合員の届出住所にすれば足り、この通知は通常到達すべきであったときに到達したものとみなされるから一応通知はなされたものと解される。
    弁明の機会の付与については、その組合員が総会に出席せず弁明を行わない場合は、その組合員は弁明の権利を放棄したものとみなされ、除名議決の効力を妨げるものではないと解される。
    なお、除名が確定した場合は、資格喪失の場合と同様の通知とするのが適当である。
    以上の手続により、当該組合員に持分払戻し請求権が発生するが、その請求権は2年間で時効により消滅するので、時効まで未払持分として処理し、 時効成立をまってこれを雑収入又は債務免除益に振り替えるのが適当と考える。

  • 組合設立後の現物出資について


    現物出資については、中協法第29条に、「現物出資者は、第1回の払込の期日に、出資の目的たる財産の全部を給付しなければならない。」とあるから、この第1回の払込の期日は組合側からみた第1回であるから、設立後における現物出資は認められないという解釈があるが、そのとおり設立後における現物出は認められないかどうか。

    現物出資に関する規定は、中協法の第29条と第33条であるが、第33条は定款の記載事項として取り上げられているので、本件については、第29条の解釈となる。
    第29条は、設立関係規定の一部で、設立許可後、理事の出資払込み事務について規定している。
    同条第3項「現物出資者は、第1回の払込みの期日に、出資の目的たる財産の全部を給付しなければならない。」の規定は、現物出資の払込みの期日を規定したもので、その期日は第1回の払込みの期日と定めているに過ぎないのであるが、この規定から現物出資は出資の第1回の払込みに限られるということになるわけである。
    したがって、それでは、出資の第1回の払込みとは何かが問題となるわけであるが、これには、分割払込みの場合の第1回の払込みのみをいうのか、 組合設立時最初に行う第1回の払込みに限っていうのかという問題がある。
    これに対しては、昭和40年に法務省民事局長通達によって、設立後の現物出資は可能であるとの見解が示され、 中小企業庁においても同様の解釈がとられ指導されるようになった。(通達・・・40・11・26法務省民事甲第3289号)
    したがって、現在では、組合設立後でも現物出資はできることとされている。
    なお、現物出資については商法等の準用はないが、株式会社においては、会社設立時には現物出資は発起人に限られているが、増資の場合にその制限がなく現物出資ができることとなっている。

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加入・加入金

  • 加入拒否の「正当な理由」の解釈について


    中協法第14条は、組合員資格を有するものであっても、組合は正当な理由があれば加入を拒否できると解されるが、 その正当な理由とは、どのような理由をいうのか。

    「正当な理由」とは、組合員資格を有する者に対して一般的に保障されている加入の自由が具体的な特定人に対して保障されないこととなっても、 中協法の趣旨から、あるいは社会通念上からも不当ではないと認められる理由をいう。
    「正当な理由」として認められるものとしては、次のような場合が考えられる。
    (1) 加入申込者自体にある理由
    ① 加入申込者の規模が大きく、これを加入させると組合の民主的運営が阻害され、あるいは独占禁止法の適用を受けることとなるおそれがあるような場合
    ② 除名された旧組合員が除名直後又はその除名理由となった原因事実が解消していないのに、加入申し込みをしてきた場合
    ③ 加入申し込み前に員外者として組合の活動を妨害していたような者である場合
    ④ その者の日ごろの行動からして、加入をすれば組合の内部秩序がかき乱され、組合の事業活動に支障をきたすおそれが十分に予想される場合
    ⑤ その者の加入により組合の信用が著しく低下するおそれがある場合
    ⑥ 組合員の情報、技術等のソフトな経営資源を活用する事業を行う際に、当該経営資源や事業の成果等に係る機密の保持が必要とされる場合において、 例えば、契約・誓約の締結、提出などの方法により機密の保持を加入条件とし、これに従わないものの加入を拒む場合 (ただし、条件はすべての組合員に公平に適用されることが必要である。)
    (2) 組合側にある理由
    組合の協同施設の稼動能力が現在の組合員数における利用量に比して不足がちである等、新規組合員の増加により組合事業の円滑な運営が不可能となる場合
    なお、「正当な理由」に該当するか否かについては、その事実をよく調査し、その事実に応じて判断するのが適当と考える。

  • 加入金の性格と定款記載について


    当組合の定款には、脱退者の持分の払戻しについては、「組合員の本組合に対する出資額を限度とする」旨の規定をしている。 定款参考例によれば、このように規定している組合では加入者からの加入金を徴収する旨の規定は削除することとされている。 加入金は定数の定めがなければ徴収できないということであるので、このことにより、当組合では、加入金は徴収できないと考えられる。
    加入の際の事務手数料的なものを徴収することはできないのか。 この場合、定款に「加入金」ではなく、「加入事務手数料」を徴収できる旨の規定を置くことはできるか。

    中協法では、組合が定款で定めた場合には加入金を徴収することを認めている(第15条)が、この加入金の意味については、特に規定していない。
    しかし、その趣旨から広義に解釈すれば、持分調整金と加入事務手数料を意味するものと考えられる。
    持分調整金とは、持分の算定方法について、改算式算定方法(組合の正味財産の価値を出資総口数で除して、出資1口当たりの持分額を算定する方法。
    従って組合員の持分は均一となる)を採っている場合において、組合財産の増加によって出資1口当たりの持分額が出資1口金額を超えている場合に、 その超過した部分に当たる差額を新規加入者より徴収し、新規加入者と既存組合員との持分についての公平を保とうとするものである。
    このように、持分調整金は、改算式の持分算定方法を採用する組合において徴収することになるが、たとえ改算式を採っている組合でも、 貴組合のように、定款の規定により脱退者の持分の払戻しが「出資額を限度」として行われる組合にあっては、常に払戻し額が出資額を上回ることはなく、 新旧組合員の持分の調整を行う必要が生じないので、持分調整金としての加入金をとることはできないとされている。
    定款参考例でいう「加入金」は、この持分調整金を意味していると解されるので、このような組合にあっては加入金の項を削除するよう指導されている。
    次に、加入事務手数料についてであるが、これは組合に加入する際に要する事務的費用、例えば出資証券や組合員証の発行費用などであるが、 これを加入者に負担させるために徴収するものをいう。
    この加入事務手数料は、広く加入金の一種と考えられるが、これはあくまで実費の範囲を超えないものであり、その性質上それほど多額なものとなり得ないものである。
    このような実質的なものの徴収は、加入金の規定によらなくても組合として徴収し得るものである。
    しかし、このことは、加入事務手数料を徴収できる旨の定款記載を禁じるものでなく、例えば徴収の根拠を明らかにしておく等の必要がある場合には、 この旨を記載しても差し支えないと考える。

  • 法廷脱退した組合員の持分譲受加入の是非


    組合員Aは、○年12月2日組合員資格喪失により法廷脱退したが、その未払持分を譲り受けることによりBの加入を、翌年の3月15日の理事会で承諾した。 このような資格喪失者の未払持分で譲受加入ができるか。

    脱退した組合員の持分は、脱退と同時に持分の持つ身分権的なものが喪失しており、持分払戻し請求権という債権が残っているだけである。 したがって、既に法定脱退した者の組合員としての権利義務を承継することとなる譲受加入ということはあり得ず、当該譲受人の加入は新規加入の手続によらなければならない。

  • 脱退組合員の再加入について


    事業年度末(3月31日)に自由脱退した組合員が翌4月1日に新規加入を申し出た場合に、理事会でこれを拒否することができるか。

    加入も脱退の場合と同様、自由であることは協同組合の基本的原則であって、設問の場合も正当な理由がない限り、これを拒否することはできない。

  • 個人企業が会社を設立した場合の組合員としての取扱いについて


    組合員である個人企業は、現在、株式会社を設立する準備を進めているが、手続が完了した時、組合は、 定款の規定に基づき「名称」の変更届を出してもらうとともに、組合員名簿を変更しようと考えている。この処理方法でよいか。

    組合員である「個人企業」が、「法人企業」である株式会社に代わることは、 個人企業の脱退(事業の廃止に伴う組合員たる資格の喪失による法定脱退(中協法第19条第1項第1号))と、株式会社の新規加入という2つの行為を含んでいる。 したがって、原則的には、個人企業には、事業の廃止に伴い、持分払戻請求権が生じ、組合は、この請求に応じ、脱退の手続をとることが必要となる。
    また、法人である株式会社を組合に加入させるには、株式会社から加入の申込みが必要であり、この申込みに対する組合の承諾が得られた後、株式会社は組合に対して、出資金の払込みを行うこととなる。
    しかし、個人企業と法人である株式会社が、実体的にみて併存するようであるならば、組合員である個人企業は、組合の承諾を得た後、法人である株式会社に持分を譲渡して脱退することが可能である。 この場合には、譲り受けた法人は当然に組合員となり、出資金の払込みは必要としない。

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持分

  • 持分の譲渡について(1)


    中協法第17条第1項によれば、組合員は、その持分の譲渡について組合の承諾を得なければならないこととなっているが、 組合は、その承諾を総会で決定しなければならないか、あるいは理事会でよいか。
    また、同条第2項においては、持分の譲受人が組合員でないときは加入の例によらなければならないこととなっているが、 加入の例によるとは、どの範囲を意味するのか。

    持分譲渡の承諾は、業務の執行に属すると考えられるので、加入の承諾の場合と同様(事業協同組合定款参考例第9条第2項)理事会で決定すれば足りるものと解する。
    「加入の例による」とは、加入の場合に準じて取り扱うということであるから、譲受人は組合員たる資格を有する者であって、かつ、その持分を譲り受けると同時に組合に加入する意思を有していなければならないことになる。また、組合の側においては、その譲渡の承諾に当たっては、正当な理由がなければこれを拒否し、又は承諾に際して不当に困難な条件を付してはならない。

  • 持分の譲渡について(2)


    問1
    他人の持分の全部又は一部を譲り受けて組合に加入しようとする者からも加入金を取る定めをしてもよいか。

    問2
    中協法第17条第3項の「持分の譲受人は、その持分について、譲渡人の権利義務を承継する」とあるが、この場合の権利義務の承継とは具体的にどのようなことをいうのか。また設問1との解釈上の関連性について説明されたい。

    問3
    加入に関し、定款に「他人の持分の全部又は一部を承継した場合はこの限りでない」と規定したとき、この後に「この場合の全部又は一部とは5口以上をいう」と但し書きしてもよいか。

    答1
    加入金は持分調整金としての性格を有するものであるので、持分譲受加入の場合には徴収できないと考えられる。なぜならば、持分譲受加入の場合には、出資の払込手続を必要としないので、定款に定めた出資1口金額とこれに応ずる持分額との調整を行う必要が生じない(既にこの点を考慮して持分の譲渡価格が当事者間で決定されたものと考えられる。) からである。

    答2
    組合員の持分とは、組合員がその資格に基づいて組合に対し請求し支払を受けるべき財産上の金額とこれを含めた組合員として有する権利義務を包括的に指す、 組合員たる地位ともいうべきものの二義があると解され、本条、第15条、第16条、第61条にいう持分は後者を意味し、第20条、第22条は前者を意味している。 したがって、法律上の持分が、いずれの意義に用いられているかは、個別的に判定すべきである。
    このような観点から本条における持分を組合員たる地位の譲渡と解する限り議決権、選挙権、出資義務、定款服従義務等、組合員として当然有する権利義務も承継されるとともに持分払戻請求権又は出資払込義務も承継されるのである。
    1との関連について、持分の譲受加入の場合には原始加入の場合と異なり、出資払込及び持分調整金の問題が生じないのは、本条の持分を前述のとおり解すれば、持分の譲渡は組合員の入替を意味する場合もあるから、 その譲受に伴う代金(払込済出資額と持分調整金との合計)の授受は当事者間で行われ、組合と譲受人との間には関係を生じないからである。

    答3
    貴組合の定款において、貴組合への出資口数を最低5口以上とし、また、現組合員のすべてが5口以上の出資を有しており、かつ5日未満の日数が生じた場合の処置が明確であれば差し支えないと解する。 つまり、上記の場合以外においては新規加入者と譲受加入者との均衡を失すると思料されるからである。

  • 脱退者に対する持分の分割払戻しについて


    多額の借入金、出資金等によって固定資産を取得している工場団地協同組合等において、組合員が脱退した場合、脱退者の持分を全額一時に払い戻すことは組合の資金繰りがつかず組合運営に支障をきたすことが考えられる。
    そこで、定款変更の指導をするに当たり、次の点についてご教示願いたい。
    (1)持分の払戻しを年賦払いとすることの定款変更の適否について。
    (2)適当である場合の年賦払いの期間はどの程度が適当であるか。
    (3)定款変更の指導案として別添のような定め方は適当であるか。
    (別添)
    事業協同組合定款例第14条に相当する規定に次の1項を加える。
    案の1
    「2 前項の払い戻しの期限は、脱退した事業年度の決算確定後○年以内の年賦払いとするものとする。ただし、年賦払いによる利息は支払わないものとする。」
    案の2
    「2 前項の払い戻しは、年賦払いとし、その期限は、総会の定めによるものとする。ただし、年賦払いによる利息は支払わないものとする。」

    持分の払戻しの取扱いについては、昭和46年1月6日付45企庁第2、048号及び昭和46年4月8日付46企庁第534号で通知したとおり、 持分を一時に全額支払うことが組合の事業運営に重大な支障をきたす場合においては定款で定めれば、その一部に限り(例えば出資額を限度として)払い戻すことができる。 持分の全額払戻しの場合も同様の理由から定款上分割払いを規定することは可能と考える。
    しかし、分割払いによって不当に脱退が制限されるべきではなく、1回の払戻金額、賦払期間が合理的に定められる必要がある。 この場合、どの程度までの分割払いが合理的かは具体的事情に即して判断されるべきものと考えるが、中協法上出資払込みにつき分割払いの際、第1回の払込金額は、出資1口の金額の4分の1以上としていること(第29条第2項)から第1回払戻額が出資額の4分の1以上であれば合理的といい得るものと考える。 ただし、分割払いにより脱退を不当に制限しないという趣旨から年賦払いの場合、一般的水準の金利を支払うことが適当と考える。
    なお、払戻の方法(1回の払戻額、賦払期間等)は中協法第20条第1項の趣旨から具体的には定款で定めるべきものと考える。

  • 法定脱退者の持分払戻請求権の時効進行時期について


    中協法第21条には、脱退者の持分払戻請求権は、脱退の時から2年間行使されない場合は時効となる旨の規定があるが、組合員の解散・死亡等による、 いわゆる法定脱退の場合は、その事由が発生した時から時効が進行するものと考えてよいか。

    解散等による法定脱退の場合は、その事由が発生した時にその組合員は、当然に脱退することになる。したがって、持分払戻請求権もこの脱退事由の発生時(脱退時)に発生する。
    しかしながら、持分の価額は、事業年度末における組合の財産によって算定することとなっている(第20条2項)ので、持分払戻請求権は、この持分が算定された後に行使されることになる。
    つまり、法定脱退の場合も自由脱退の場合と同様に、事業年度末まではこれを行使することができないこととなっている。
    このようなことから、法定脱退者の持分払戻請求権の時効も自由脱退者と同様に事業年度末から進行するものと考える。

  • 持分払戻方法を変更した場合の新定款の効力について


    脱退者に対する持分を全額払い戻す旨の定款規定を出資額限度に改めるための臨時総会が適法に開催され、議決が有効に成立し、当該事業年度にこの変更申請が認可された場合において、次の者に対する持分の払戻しに関する定款の適用については、各々次のように解釈するが適当か。
    (1) 臨時総会で反対を唱え、容れられなかったため脱退を予告した組合員
    (本県の解釈)
    自由脱退の場合は、脱退を予告した組合員といえども事業年度の終了日までは、組合員たる地位を失っていないし、組合に対する権利義務も他の組合員と同様に有しているのであるから、 年度途中で変更のあった場合でも、変更後の定款によって持分の払戻しを行うこととなる。
    (2)死亡等による法定脱退者
    (本県の解釈)
    死亡等による法定脱退の場合は、組合員の意思にかかわらず法定された事由に該当するに至ったとき法律上の効果として直ちに脱退せざるを得ず、 組合員たる地位及び権利を失うのであるから、持分の払戻しはその脱退の時点において効力を有していた定款に準拠すべきであると解する。

    答(1)、(2)とも貴見のとおりである。

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脱退

  • 脱退者に対する延滞金の徴収について


    法定脱退者が組合に対する経費又は斡旋原料代等を滞納しているとき、仮に本年4月に法定脱退した者に本事業年度末たる○年3月末に持分算定の上、払い戻すことになるが、4月以降滞納金の払込みがない場合、年度末までの延滞金(定款及び総会議決をもって徴収するよう規定されている)をも加算して、払戻持分より差し引いて支障ないと解せられるが、それでよろしいか。

    脱退した者に対し、債権を有する組合が脱退者に支払う持分と、その債権を相殺する場合、脱退以降持分支払までの期間に対し、定款に定める延滞金を課することはできないものと思われる。
    定款は組合員でなくなった脱退者に対しては効力を及ぼさないので、脱退者から定款の規定によって徴収することができないものと考えられるからである。
    ただし、脱退時より持分の確定するその事業年度末までは、脱退者の債務不履行に対し、民法の法定利率による利息を課することができる。

  • 脱退を申し出た組合員の取扱い等について(1)


    自由脱退者の取扱いについて
    組合員は、「事業年度の末日の90日前までに予告し、事業年度の終了日に脱退できるが(中協法第18条)、事業年度末までは組合員たる地位を失ってないから、 その組合員も他の組合員と同様に議決権の行使、経費を負担する等の権利、義務を有するが、脱退者の申出の点についての効力とその取扱い方について、
    (1)① A組合員5月10日に脱退の中出をした場合
       ② B組合員7月2日に脱退の中出をした場合
       ③ C組合員12月30日に脱退の申出をした場合
    (2)脱退を申し出た組合員は、その後の組合運営についての権利義務を主張し行使できるか。
    (3)脱退を申し出た組合員が、申出日以降組合賦課金を年度末まで納入しない場合の取扱いについて。
    (4)未納賦課金を払戻持分と相殺して差し支えないか。法第22条からして相殺することも妨げないと解されているか。

    設問の組合事業年度終了日が3月31日であれば、(1)の①~③は、いずれも90日の予告期間を満足させているので、脱退の申出があった日の属する事業年度末までは、 組合員たる地位を失わないから、脱退の申出をしない組合員となんら差別してはならない。したがって、(2)についても事業年度末までの期間内は組合員としての権利義務を負わなければならないし、また(3)にいうごとく、賦課金を納入しないならば組合員としての義務を怠ることになり、除名、過怠金の徴収等の制裁も定款の定めに従って可能となるわけである。 (4)については、脱退した組合員が組合に対して未納賦課金その他の債務を負っている場合は、組合は申協法第22条の規定による持分の払戻停止によって対抗でき、 あるいは民法第505条の規定により払い戻すべき持分とその債務と相殺することもできる。

  • 脱退を申し出た組合員の取扱い等について(2)


    問1
    中協法第18条に、組合を脱退するには「90日前までに予告し、事業年度の終においてすることができる」とあるが、例えばある組合でなされた議決が一部の業態の組合員に著しく不利で営業不能となるため、仮に9月1日に脱退を通告しても、翌年3月末日までは脱退できないか。 また、その間、議決に拘束されるか。

    問2
    組合員が転廃業して組合を脱退したが、1ヵ月又は2ヵ月後再び元の事業を始めた場合、前に加入していた組合の拘束を受けるか。

    答1
    中協法第18条に自由脱退の予告期間及び事業年度末でなければ脱退できない旨を規定した趣旨は、その年度の事業計画遂行上、組合の財産的基礎を不安定にさせないためであるから、設問のような場合、即ち9月1日に脱退を予告しても翌年3月末日迄は脱退できない。 したがってその間、除名されない限りは依然組合員であるから議決にも拘束されるし、組合員としての権利を有し、義務を負わなければならない。

    答2
    組合員が転廃業をすれば、組合員資格を失い、法定脱退することになるので、組合員資格としての事業を再開しても、直ちに組合員となるわけでないから、その組合の拘束を受けることはない。

  • 脱退予告者の権利について


    問1
    自由脱退予告者は、持分が計算される期末までの期間は組合員であり、持分権があると解釈してよろしいか。

    問2
    1の組合員は、その持分を確定する決算総会(通常総会、通常5月に開催される)に出席して、組合員権を行使することはできないと解釈してよろしいか。

    問3
    脱退予告者が総代である場合、期末までの期間に総代の任期満了による改選があったときは、その組合員は総代の選挙権並びに被選挙権があるか否か。

    答1
    組合員は、中協法第18条の規定により、脱退することができるが、この場合、予告を必要とし、かつ、脱退の効果は事業年度末でなければ発生しない。 したがって、組合員は予告後も年度末に至るまでの間は依然として組合員たる地位を失うものではなく、それまでの間は、組合員としての一切の権利を有し、かつ義務を負うものである。

    答2
    脱退の効果は、事業年度末において発生し、それ以後は、組合員たる地位を失うものであるから、組合員として事業年度終了後の総会に出席することはできない。

    答3
    脱退届を提出している組合員が総代であっても、事業年度末に至るまでは組合員たる地位を失うものではないから、総代の選挙権及び被選挙権を有する。

  • 脱退予告取消しの効力について


    4月~3月を事業年度とする組合において、9月末までに脱退予告の書面を提出した組合員が、10月1日以降翌年3月31日までの間に脱退予告の取消しを届け出た場合に、脱退予告の取消しができるものと解すべきか。

    脱退が組合員の自由意思によって行い得ることは、協同組合の根本的原則である。しかしながら、随時脱退を認めれば、組合の事業計画及び資金計画が常に不安定となり、 組合の事業を妨げ、又は組合の債権者の利益を害することになるので、脱退には予告を必要としているものであるが、予告後、その取消しを行っても予告が上述の趣旨により必要とされていることを考えれば、 特に弊害を生ずるものとは考えられないので取消しはできると解する。

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除名

  • 除名要件について


    法定脱退となる除名の要件について次の点を回答されたい。
    (1)定款参考例第13条第1号に規定する「長期間にわたって組合の事業を利用しない組合員」は、なぜ除名しなければならないか。

    (2)(1)の場合の「長期間」とは、何力月以上か。
    例えば利用については1年以上とか経費支払を1年以上怠るとか(1年以内では対象とするには過酷とも思われ、反面、経費支払を1年以上怠っては組合の年度事業計画の遂行に支障がある)。

    (1)組合は、組合員が協同して事業を行うべきであって、長期間にわたって組合の事業を利用しないような場合は、組合制度の主旨に反し、 また、同志的結合の意思を欠いたものと認められ、組合員たる地位を与えておく理由がないからである。

    (2)何力月以上が長期間であるかは、個々の場合に則して具体的に判断するほかはない。組合事業に対する不熱心さが明らかである程度に長期間であることを要するわけで、 実情に応じ判断すべきである。
    除名理由における「長期間にわたって組合の事業を利用しない組合員」の長期間とは、社会通念上許される範囲の長期間で、貴組合及び組合員自体が判断し決定すべきものであって、 一般的に何力月、何年とは定められない。

  • 組合の申し合わせをやぶった組合員の除名について


    小売業者の組合において、同じ商店街にある大資本経営のスーパーマーケットヘの対抗上同スーパーに入らないことの申し合わせを行った場合、 同スーパーに入った故をもって、同組合定款の除名規定「組合の事業を妨げ、又は妨げようとしたとき」に該当するものとして除名するのは適当か。
    なお、除名された組合員は営業ができなくなる事情にあるので、憲法上の営業の自由とも関係があると思われるが。
    また、定款にスーパーに入った場合は除名する旨規定することは適当か。

    組合員が組合から除名されることによって、営業を続けることが不可能となる場合、その除名は、独禁法第2条に規定する不公正な取引方法等に該当し、 同法第8条第1項第3号から第5号違反となると解される。
    また、組合員がスーパーマーケットに入った場合、除名する旨を規約又は定款に定めることは差し支えない。 しかし、その結果、除名された組合員が、市場条例等の関係から、事実上営業を続けることが不可能となるなど、営業活動に著しく不利益を与えるような場合は、 規約又は定款はその部分について無効となる。
    なお、本件と類似事件の審決例として、○○海産物仲買人協同組合の加入拒否の例がある。この事件は、スーパーマーケットを経営する事業者に対して、 組合がその者の組合への加入を拒否したため、その事業者が商品購入が不可能となり営業ができないという事例であるがこれに対しては、独禁法第8条第1項第3号及び5号違反の審決が下されている。

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その他

  • 組合員の責任の限度について


    中協法第10条第5項によれば、「組合員の責任は、その出資額を限度とする」とあり、また法第20条第3項によれば「組合の財産をもってその債務を完済するに足りないときは、 組合は、定款の定めるところにより、脱退した組合員に対し、その負担に帰すべき損失額の払込を請求することができる」とある。 この条文のうちルビの部分は「未払出資金があればこれを請求し得る」という解釈と「その負担に帰すべき」という語句により、 前述の解釈を拡大して「組合員の責任は出資額を限度とする」という第10条第5項の規定を無視する解釈が成り立つことも考えられるかどうか。
    また1例として出資金50万円、諸積立金20万円の組合が共販事業の失敗により欠損金100万円を生じた。積立金を取り崩し残額80万円を組合員が特別賦課金をもって補てんする議決を行ったが、 一部組合員は出資金をもってそれに充当させ、脱退することを申し入れた。
    この場合組合の財産をもって債務を完済し得ない30万円について脱退組合員に請求できないか。 なおこの欠損金は数年にわたり、累積され既に先の総会において承認を受けているものであり、その再建を図るため特別賦課金の徴収を議決されたものである。

    中協法第20条第3項にいう「その負担に帰すべき損失額の払込云々……」の条項は脱退者の持分の払戻に関し規定されたものであって、法第10条5項の規定により、 組合員は明らかに有限責任であるから、当然、「組合の未払込出資金があり、かつ、欠損を生じている場合においては、 未払込出資金額を限度としてその負担に帰すべき損失金額の払込を請求することができる」と解すべきである。 もちろん、定款に損失額払込の規定を設けない場合には、請求権がないことは法の規定からして明白である。
    よって貴見第2の解釈の如く「その負担に帰すべき云々……」のみを抽出してこの語句を拡張解釈することは妥当ではないと解する。
    なお貴会の解釈のようにもとられる本規定は、無限責任の場合の規定であって、有限責任の場合の規定ではないとの見解もあるが、 一応これは立法論として別に論ぜられるべき問題であると思う。
    例題の場合の、総会で議決された組合の欠損金補てんについては、当該組合員が、特別賦課金をもってこれに当てることを承認したものでなければこれを請求することはできないものと解する。 すなわち、法はその第10条第5項において「組合員の責任は、その出資額を限度とする」と定めているので、出資額を上回る経費の分担とか、損失金の負担とか法第10条第4項との関係を検討してみると、 まず、法は「出資額」を限度とするものである旨を規定しているのであるから、組合員が組合に対して負う財産上の出損義務は、その額において有限であり、組合員がその額を超えて、 財産上の出損義務を負担することがないことは明らかである。また、その限度である出資額というのは組合員が出資を引き受けた額、即ち加入する際に引き受けた額のままであることもあろうし、 加入後に他の組合員の持分を譲り受けることもあるだろうが、要するに組合員が自らの意思で引き受けた出資の額と解するのが相当であろうと思う。
    総会の議決又は定款の変更によって出資1口の金額の増額とか、出資額を上回わる経費又は損失金について任意に賦課せしめることができるとすれば、 法律上は、際限なく組合員の負担を加重させることが可能となり、組合員の責任には何ら「限度」が存在しないこととなって、 法が第10条第5項に定めた、その額をもって組合員の財産上の出損義務の限度である旨の規定は無意味なものとならざるを得ない。
    法第10条第5項の存在を無意味なものとして否定しない以上、同条項は総会の議決又は定款の変更によって加重することのできないもの、 すなわち組合員が、組合に対して引き受けた出資の額を超えて財産上の出損をさせられることがない旨を保障する規定と解される。
    したがって、問題は、組合が損失金を賦課することによって、組合員に「その出資額」を超えて財産上の出損をしなければならない義務が生ずるかどうかの点にかかっているということになる。
    もし組合員に未払込があるならば、これをもって損失の補てんに当て得るので、第10条第5項は何ら関知するところでないが、もしそれを超えて出損すべき義務が生ずるのであれば、 それは同条項に抵触することとなる。してみれば組合は法第ILO条第5項の規定に照らし「その出資額」を上回わる経費の賦課とか損失金の負担を課することができないものと解するほかないであろう。 だがしかし、法第10条第5項の規定は、組合員自らの意思によっても「その出資」を上回って負担することを禁止する趣旨を有するものとは到底考えられない。 よって当該組合のすべての組合員が同意した場合でもなお負担させることができないという理由はないと思われる。以上の理由により、総組合員の同意がない限り、 総会の議決をもってしても、すべての組合員に「出資額を上回る損失金額」を組合員の負担すべき金額として強制することはできず、設問の場合も当該組合員がそれを拒否し脱退するという以上、 総会の議決である由をもってこれを請求することはできないものと解する。

  • 組合員の権利義務の一時停止について


    組合員の意思表示により組合を休会し得るか。
    経済的事情から賦課金を納入することが苦しいので、暫時組合を休会したい旨の組合員からの申出があるのでこれについての取扱い方を回答されたい。

    組合員が組合を休会するという意味が不明であるが、組合が総会又は理事会の議決により、 組合員の経費負担義務を免除(この場合は、定款を変更し、特にやむを得ないと認める場合は、経費の全部又は一部を賦課しないことがある旨を明記する必要がある)するとか、 あるいは組合員が自発的に組合に対して有する権利(議決権、選挙権等)を行使しないということであれば、特に問題はないものと考える。 しかしながら、例えば組合が組合員に対して賦課金を免除するという条件のもとにその組合員の基本権たる議決権等を停止するというような特約をすることは許されない。

  • 組合在籍年数により賦課金・手数料に差等を設けることについて


    設立後数年は配当もなかったが、創立後10年を経た今日、業績も伸び収支もよくなり、新組合員は加入時から配当もあり、事業利用条件も有利となっているので、 創立時の組合員とその後の加入組合員とて、次のように賦課金等に差等を設けることはできるか。
    (1)創立後加入組合員のみから何らかの方法で賦課金を徴収すること。
    (2)使用料及び手数料についても、上記のように差等をつけてよいか。

    (1)一般に経費の賦課方法としては、組合員に一律平等に賦課するいわゆる平等割の方法や、組合員の生産高、販売高等によるいわゆる差等割の方法、 あるいはこれらの方法を併用する方法等があるが、経費は組合の事業活動に必要な費用(例えば、事務所費、人件費等)として充当される組合内部における一種の公課的なものであるから、 新規加入者に対してのみ賦課することは法第14条に規定する現在の組合員が加入の際に付されたよりも困難な条件を付したことになると解する。
    (2)使用料及び手数料は、組合の経済的事業の運営上必要な費用を賄うためのもの(例えば、資金貸付利子、検査のための手数料等)であって、 これも新規加入者に対してのみ徴収することとすることはできない。