事業継続力強化計画

中小企業のための、事業継続力強化計画とは?

事業継続力強化計画(ジギョケイ)とは、中小企業が自社の災害リスクなどを認識し、防災・減災対策の第一歩として取り組むために必要な項目を盛り込んだもので、将来的に行う災害対策などを記載するものです。
ジギョケイを策定し、国に申請して認定を受けると、防災・減災設備に対する税制措置、低利融資、補助金の加点措置など、さまざまなメリットを受けることができます。

毎年、全国各地でさまざまな自然災害による深刻な被害が発生しているのは、ご存知の通りです。「これまで大丈夫だったから、今後も大丈夫」などとは言っていられません。被害を受けてから、「困った」「どうしよう……」となるのではなく、今から「もしも」に備えて、防災・減災に取り組むことが大切です。
そうはいっても頭が痛いのが資金です。そのため、必要性は重々承知しているけれど、対策を行うことに二の足を踏む中小企業・小規模事業者も少なくありません。そうした中小企業を応援するため、令和元年7月16日、「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律」が施行され、事業継続力強化計画認定制度が創られました。
「事業継続力強化計画認定制度」は、防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定し、認定を受けた中小企業は、税制措置や補助金の加点などの支援策を活用できるというものです。令和2年10月からは、自然災害リスクだけでなく、「自然災害以外のリスク」として、サイバー攻撃、感染症その他異常な現象に直接または間接に起因するリスクも支援対象に加えられました。

2種類の事業継続力強化計画について

事業継続力強化計画には「事業継続力強化計画(単独型計画)」と、「連携事業継続力強化計画(連携型計画)」の2種類があります。

単独型は、自社だけで策定する、防災・減災のための事前対策に関する計画です。計画を策定すると災害などのリスクに対応できるのはもちろんのこと、平時においてもさまざまなメリットを得ることができます。
連携型は、複数の企業や組合などが連携し策定する、防災・減災のための事前対策に関する計画です。災害が発生した時には、自社が一時的に操業を停止したり、取引先が被災したりして、復旧が遅れることもあります。日ごろから、競合を含めた関係する他社などと、非常時に備えて連携しておくことが大切です。
※連携型計画は、単独型計画を策定していなくても策定可能です。

ジギョケイ認定の3つのメリット

認証マークの発行

経済産業省による認証マークを、認定事業者(連携型の場合、全ての連携事業者)の名刺やwebサイトに掲載することができます。

税制措置・金融支援

日本政策金融公庫による低利融資

設備投資に必要な資金について低利融資を受けることができます。
(融資の利用にあたっては、別途日本政策金融公庫の審査が必要となります。)

貸付金利
設備資金について、基準利率から0.9%引き下げ
(運転資金については、基準利率)

貸付限度額
中小企業事業: 7億2,000万円
貸付金利の0.9%引き下げが適用となるのは貸付限度額のうち、4億円まで。

貸付期間
設備資金20年以内、長期運転資金7年以内(据置期間2年以内)

信用保証枠の追加

事業継続力強化計画の実行にあたり、民間金融機関から融資を受ける際、中小企業信用保険法の特例として、信用保証協会による信用保証のうち、普通保険等とは別枠で追加保証や保証枠の拡大が受けられます。

保障限度額

通常枠別枠
普通保険2億円(組合4億円)2億円(組合4億円)
無担保保険8,000万円8,000万円
特別小口保険2,000万円2,000万円
新事業開拓保険2億円→3億円(組合4億円→6億円)(保証枠の拡大)
海外投資関係保険2億円→4億円(組合4億円→6億円)(保証枠の拡大)

また、以下の2つの特例の利用も可能です。

中小企業投資育成株式会社法の特例
通常の投資対象(資本金3億円以下の株式会社)に加えて、資本金額が3億円を超える株式会社(中小企業者)も事業継続力強化計画の実行にあたり、中小企業投資育成株式会社からの投資を受けることができます。

日本政策金融公庫による スタンドバイ・クレジット
認定を受けた中小企業者(国内親会社)の海外支店または海外子会社が、日本政策金融公庫の提携する海外金融機関から現地通貨建ての融資を受ける場合に、日本政策金融公庫による債務の保証を受けることができます。

防災・減災設備への税制措置

認定された事業継続強化計画に従って取得した一定の設備等について取得価額の16%の特別償却が適用できます。適用期間は令和9年3月31日までで、期間内に対象設備を取得または製作もしくは建設し、事業の用に供することが必要です。

税制措置の対象設備の例

減価償却資産の種類
(取得価額要件)
対象となるものの用途又は細目
機械及び装置(※)
(100万円以上)
自家発電設備、浄水装置、揚水ポンプ、排水ポンプ、耐震・制震・免震装置(これらと同等に、自然災害の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する機能を有するものを含む。)
器具及び備品(※)
(30万円以上)
自然災害の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する機能を有する全ての設備
建物附属設備
(60万円以上)
自然災害の発生が事業活動に与える影響の軽減自家発電設備、キュービクル式高圧受電設備、変圧器、配電設備、電力供給自動制御システム、照明設備、無停電電源装置、貯水タンク、浄水装置、排水ポンプ、揚水ポンプ、格納式避難設備、止水板、耐震・制震・免震装置、架台(対象設備をかさ上げするために取得等をするものに限る。)、防水シャッター(これらと同等に、自然災害の発生が事業活動に与える影響の軽減に資する機能を有するものを含む。)に資する機能を有する全ての設備

 ※「機械及び装置」及び「器具及び備品」には、「対象となるものの用途又は細目」欄に掲げる対象設備をかさ上げするための架台で、資本的支出により取得等をするものを含む。

補助金の加点

認定を受けた事業者は、ものづくり補助金等の一部補助金において審査の際に加点を受けられます。

策定の流れ

5つの検討ステップで、簡単に計画を作成

Step1

事業継続力強化の目的の検討

自然災害等が起こった際、サプライチェーンや地域経済社会に与える影響、従業員に対する責務等、自らの事業継続力強化が自然災害等による経済社会的な影響の軽減に資する観点から、目的を検討して記載します。

Step2

災害などのリスク確認・認識

ハザードマップ等を活用し、事務所・工場などが立地している地域の災害等のリスクを確認。被災想定を基に、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つの切り口から、自社にどのような影響が生じるかを考えます。

Step3

初動対応の変更

災害等が発生した直後の初動対応を検討します。その際、①人命の安全確保、②非常時の緊急時体制の構築、③被災状況の把握・被害情報の共有等の取り組みが求められます。

Step4

ヒト、モノ、カネ、情報への対応

Step2で検討したヒト、モノ、カネ、情報への影響を踏まえ、災害等に備えて事前にどのような対策を実行することが適当か検討します。

Step5

平時の推進体制

ジギョケイは策定するだけでなく、平時の取り組み(訓練)が大切です。
平時から繰り返し取り組むことで、緊急時においても落ち着いて適切に対応することができるようになります。

会員組合の皆様で策定及び認定取得を検討される場合は、当会へご相談ください。

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