組合事例紹介

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浜縮緬工業協同組合「CO₂排出量見える化から始める「浜ちりめん」販路開拓事業」

美しい光沢の浜縮緬美しい光沢の浜縮緬

Yasa Silk ロゴマークYasa Silk ロゴマーク

組合の概要

1950年設立。「浜ちりめん」と呼ばれる絹織物の白生地産地の組合として、生きばた機の精練工程を共同事業として実施。主要な和装染呉服用の生地に加えて、洋装分野にも参入し、天然繊維のシルク生地の強みを生かした製品提案を行っています。

①取組に至る背景・目的

繊維産業は製造過程や消費・廃棄までの間に生じる環境汚染が世界的な問題となっており、CO₂排出量は石油産業に次いで第2位、世界全体の温室効果ガスの実に8~10%を生み出しています。
繊維産業におけるサプライチェーン全体で環境負荷軽減に向けた取組が求められる中、その一環として当組合では、絹織物産地「浜ちりめん」の精練事業や家庭で洗えるシルク「Yasa Silk(ヤサシルク)事業」などにおけるCO₂排出量の可視化を推進しています。多言語による情報発信を展開することで、「浜ちりめん」のブランド力向上を図り、環境問題にひと際厳しい海外市場での販路開拓を目指します。

②取組の内容と成果

●可視化と情報発信
当組合ではCO₂排出量の可視化を行うため、booost社によるGHGマネジメントクラウドシステムを活用し、組合の加工施設などからのCO₂排出量を算定。組合事業におけるCO₂排出実態を把握(見える化)し、ホームページにて情報開示しました。続いて削減目標と削減計画を策定し、削減対策の進捗状況についても掲載情報を更新していきます。また、海外の取引先に向けた英語・中国語・日本語による多言語に対応したホームページを作成。「浜ちりめん」産地や「Yasa Silk」の認知度向上とイメージアップを国内外に広く訴求することで、産地全体のブランディングと販売促進効果の向上を図っています。

●CO₂削減と販路拡大の体制を構築
温室効果ガスの排出量の可視化によって、削減につながる改善点も把握できました。具体的な削減目標や削減量を公表していく体制が整い、地場産業として持続的社会の実現に取り組んでいく一歩になったと考えています。
また、ホームページに環境の取組を追加したことで、見学やコラボ企画などの問い合わせが増加。GX推進の情報開示は、Yasa Silk加工などの依頼につながっています。加えて、多言語対応のホームページでは海外から3件の問い合わせがあり(うち1件は試験的受注)、販路拡大が見込める状況となっています。

③今後の展開と目標

温室効果ガス排出量の可視化範囲を拡大し、当組合の事業活動における廃棄物や業務活動に関連する分野についても可視化と削減の取組を発信することで、経済・環境・社会の課題と向き合う「浜ちりめん」ブランドの確立を目指します。
また、アパレルの売れ残り品の廃棄が問題視される中、最終的には土に還る素材の需要は今後大いに高まると予測されます。当組合ではYasa Silk加工を施した絹生地を通じて持続可能な生活やスタイルへの変容を目指し、今後も取組を進めていきます。

浜縮緬工業協同組合(hamachirimen.jp/)

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