早生樹普及に向けたPR資料
採種園
2017年設立。滋賀県産山林種苗の生産・供給に向け、共同販売や共同施設管理などの事業を行っています。様々なお客さまの要望に沿った苗木を生産し、森林保全·環境活動を進め、滋賀県林業の持続的な発展に向けた活動に取り組んでいます。
①取組に至る背景・目的
当組合では、滋賀県の森林づくりに欠かせない山林種苗を取り扱う組織として、環境負荷削減を意識したCO₂ネットゼロの推進活動も行っており、これまでもカーボンオフセット苗木※の販売等を実施してきました。加えて、昨年度から、木材の収穫を早めカーボンニュートラルに貢献できる苗木として使用される「早生樹」の生産をいち早くスタートさせました。早生樹は、成長が早くCO₂吸収能力が高いため、その普及促進を図ることにより、環境負荷削減につながることが期待されています。当組合並びに組合員で「早生樹」の販売数を増加させ、普及促進を行うことで、将来的なカーボンニュートラルの実現に寄与することを目的に本事業に取り組みました。
※ カーボンオフセット苗木とは、私たちの経済活動や生活などから排出された温室効果ガスについて、削減目標の全部または一部を、植林事業などで埋め合わせをすることを目的とした一定の条件を満たす苗木のことを言います(組合は、びわ湖カーボンクレジット登録団体です)。
②取組の内容と成果
●「早生樹」とは
早生樹とは、すなわち「早く」「成長する」「樹種」という意味で、一般的なスギやヒノキと比べて、光合成を大量に行い早く成長することからCO₂の吸収量が高い樹種です。成長が早いことから、10年から25年位の比較的短伐期での収穫も可能で、木質バイオマスとしての活用を期待されるなど、その植栽を通じてカーボンニュートラルの実現に貢献できるものとして注目されており、「エリートツリースギ」「センダン」「オニグルミ」「クヌギ」などの品種があります。
●森林資源を生かす循環型林業
早生樹は一般的な品種と比較し、CO₂を効果的に吸収し約1.5倍の速度で成長するため、植林・間伐・主伐・利用までのスパンも短期化します。つまり、早生樹の普及により「植える」「育てる」「伐る・使う」の森林資源の循環サイクルが活性化し、その活性化により、その間に森林が吸収するCO₂の量が増加することとなります。その循環型林業が確立することによりカーボンニュートラルの実現にもつながります。当組合では、早生樹の販売促進に向けて、組合ホームページに専用の紹介ページを開設するともに販促用チラシの作成を行い、環境負荷削減や循環型林業への貢献をPRしながら営業活動を展開しました。その結果、今年度育苗を行ったエリートツリースギ6,590本が完売となったことから、森林資源を生かす循環型林業の確立に大きく寄与しました。
③今後の展開と目標
早生樹の販売促進に取り組むことも重要ですが、その生産体制の構築・整備も欠かすことができません。そのことから、当組合では生産体制の確立に向けて、エリートツリーの採種園整備に取り組み、エリートツリー特定苗木から採種し増殖する特定増殖事業者の認定を滋賀県初として受けました。今後については、エリートツリー種子と苗木づくりに取り組む近畿地区では初の民間団体としての活動を推進し、カーボンニュートラルの実現にさらなる貢献をしていきたいと考えています。