令和元年度ブラッシュアップ支援1回
令和3年度ブラッシュアップ支援1回
主な内容
BCP策定の趣旨
草津市管工事協同組合は、草津市の指定給水装置工事業者及び、排水設備工事店である事業者で構成されており、市民のライフラインを守るプロ集団として活動しています。
主な事業内容として、上水道給水管及び給水装置等への修繕業務の委託、検定満期メーター取替委託、漏水修理サービス、組合員への技術向上のための教育、を行っています。
災害対策事業では、草津市と災害時における水道施設の応急措置支援に関する協定を締結しており、災害発生時における必要な物資、重機、各種資機材や人員などを確保することにより、円滑な応急・復旧活動を迅速に実施できる支援体制づくりに協力しています。
しかし災害や事故等が発生し、当組合が大きな損害を受けた際は、主な事業や災害対策事業の運営が不可能な状態に陥ります。さらに回復が不可能な場合には、組合が解散する事態に追い込まれることが考えられます。
従って、事業継続計画(BCP)を策定することにより、災害や事故等が発生、組合運営が一時的に低下した場合でも、組合にとっての中核事業については継続が可能な状態までの低下に抑える、また回復時間を可能な限り短縮させ、早期に組合運営を回復させることにより、組合の損失を最小限に抑え、事業を継続させていきます。
基本方針
当組合は、以下の方針に基づき行動する。
- ・組合の職員(人命)の安全を守る
- ・組合の共同事業を早期復旧若しくは継続させる
- ・組合員の事業を早期復旧若しくは継続させる
- ・組合の求心力を向上させる
- ・組合員が供給責任を果たし、顧客からの信用を守ることを支援する
- ・組合員の経営(雇用)を守る
- ・商取引上のモラルを守る(独占禁止法を遵守する 等)
- ・地域の復旧に貢献する
重要業務
当組合は、以下の業務の継続もしくは実施を最優先事項とする。
- ・組合員の組合内外における連携支援(組合員間の連携の調整、他の組合との調整 等)
- ・業界への情報発信、自治体への要望提出等の初動対応
- ・組合で実施している共同事業(災害時の対応)
- ・災害時における上下水道の応急復旧作業
被害想定
草津市では災害に備えて「地域防災計画」に「草津市防災アセスメント調査」を作成している。この「草津市防災アセスメント調査」も基づいて、草津市での被害を想定する。
( 草津市防災アセスメント調査 )
ア)琵琶湖西岸断層帯地震(南部)
想定震度が草津全域は震度6強以上、最大深度が7となり、どの地域においても液状化発生の危険性があり、建物への被害、水道管の破裂や漏水等のライフラインへの被害や交通施設に被害が発生し、様々な機能支障が生じる。
組合事務所も震度6強の地震に襲われると想定されるが、事務所は鉄筋コンクリート造の建築物であるため、倒壊する可能性は低い。
イ)風水害
家屋水没や家屋流出等の致命的な被害が想定される箇所は限定的であり、発生確率も低い。200年確率の想定で家屋水没となる箇所が草津川と美濃郷川の合流付近でみられる。
道路の陥没による水道管の破裂や漏水、交通施設への被害、土砂災害等が想定される。
組合事務所の建物が浸水する可能性は低い。
ウ)草津市管工事協同組合への被害
本計画における緊急時の被害状況を以下のとおり想定する。
インフラへの影響
- ・停電が発生し、水道とガスが停止する。その後、電気、水道、ガスの順番で復旧する。
- ・電話やインターネット等がつながらなくなる。その後、ケーブル断線の復旧等により順次復旧する。
- ・一部の道路が通行規制になる。その他の道路で、渋滞が発生する。
- ・発生直後は、鉄道の運行が完全に停止する。その後、被害の少ない地域から順次再開する。
組合への影響
- ・設備、什器類の移動、転倒、耐震性の低い建物の倒壊、津波の発生等により職員が負傷する。
- ・固定していない設備、什器類が移動、転倒、事務所が大破、倒壊、浸水する。
- ・パソコン等の機器類が破損し、重要なデータ(組合員名簿、緊急連絡先リスト 等)が復旧できなくなる。
- ・万一の場合、組合事務局機能が維持できなくなる。
組合員への影響
組合員の一部が大きな被害を受けた場合
- ・建物の倒壊、従業員の負傷により、管内の一部の組合員が自助のみでの事業継続、復旧が困難となる。
- ・津波等の影響で、一部の組合員が現地での復旧が困難となる。
管内全域の組合員が大きな被害を受けた場合
- ・建物の倒壊、多数の従業員の負傷等により、管内のほぼすべての組合員が自助のみでの事業継続が困難となる。
- ・管内の大部分が津波等による影響を受け、多くの組合員が現地での復旧が困難となる。
草津市への支援
草津市管工事協同組合は、草津市と「災害時における水道施設の応急支援措置に関する協定」を締結している。
協定には具体的な業務内容や支援人数は設定されてはいないが、応急給水対策および応急復旧対策の実施についての協力としている。
草津市が策定している「草津市水道ビジョン」によると、草津市では近年の開発計画などに伴う管路整備で耐震化を有する管材料を用いているが、管路全体の2割程度であり今後も耐震化を進める必要がある、としている。
そのため地震により管路が被害を受け、組合にも支援の要請が予想される。平成28年4月14日に発生した熊本地震の例では上水道の断水解消まで1カ月を要した。
( 草津市水道ビジョン )
組合向けBCP策定運用ハンドブックを活用
( https://www.chuokai.or.jp/index.php/manuals/bcphandbook/ )