※高齢者・障害者の福祉の向上(平成11年度調査)
シーツ自動交換装置つき介護ベッドを開発
1本のロールを使用して、ワンタッチでシーツの巻取りと取付けをを行い、かつ、体圧センサーで圧力を感知してマットを下げ、床ずれ防止にも貢献する介護ベッドを開発した
能登川地区の麻織物を主体とした生産業者は、構造不況を乗り切るため、新分野開拓の研究会を行い、開発テーマを検討していた。既存製品の応用が可能なこと、隙間市場を狙うこと、この条件を満たすことを前提に検討を続けた結果、快適な介護環境を創り出すことに貢献する自動シーツ交換ベッドの開発に取り組むことを決め、平成8年4月に研究開発に着手した。
地域に存在している織物業、染色業、機械製造業の有志を募り、融合化組合を設立して、開発にあたった。苦心したことは、被介護者に負担をかけないで、ワンタッチでシーツの自動交換を可能にすることである。寝ている人に不快感を与えないで自動的にシーツが交換される構造にするため、機械メーカーの支援を受けて研究開発が行われた。キャリアの役をする巻取りロールがシーツを巻取りながら移動すると、分割されたマットが順次下方に移動し、キャリアがシーツを巻取っていく。シーツを敷く時は逆にキャリアが戻るようになっている。
シーツには防菌、消臭、防水加工が行われ、利用者の快適な環境を維持できるようになっている。現在、特許の出願を行い、製品開発は完了した。今後の課題は、実際の使用上に問題がないか福祉施設で確認し、さらに使い勝手の良い整備に仕上げることであり、また、販路開拓に努めることとしている。