組合運営Q&A

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役員

  • 役員定数について(1)


    中協法第35条において役員の定数は「理事は3人以上、監事は1人以上」と定められているが、その定数の上限は第何条に規定されているのか。
    例えばABCDの4法人が協同組合を組織するに当たって理事、監事の定数の上限の決定の方法として、 単記式投票によれば組合員1人1票の原則により理事、監事各々最大4人まで選出できることとなるが、連記式投票による場合は組合員総数を上回わる多数の役員を選出することが可能になる。 定款にて役員の定数は決定しているので単記、連記いずれを採用しても役員の総数は同一でなければならない。故にその両方の限度内で組合内容に適した方法で選ぶべきであると解釈しているが如何。

    中小企業等協同組合の役員の数は、中協法第33条1項第11号の規定により、定款の絶対的必要記載事項として、必ず、何人以上何人以内という定数で定款に定めなければならないことになっているが、 その数は、同法第35条第2項に規定する数以上であれば、何人であろうと法令違反にはならない。
    役員の定数を定める場合、設問のごとく単記式無記名投票によって選出し得る最大限の数(組合員数)を、その組合の理事及び監事の定数の上限として、 その範囲内において、単記式、連記式のいずれかを採用すべきであると解して画一的に指導することは無理がある。設例のように組合員数が4人である組合においても、 組合の業務運営において組合員数を上回わる役員が必要とされる場合も考えられるので、指導としては当該組合の事業規模、役員の業務分担を考慮し、 業務の迅速的確な遂行を妨げることとならないよう、必要、かつ、最小限度の役員の数を定め、その数を選出するについて、単記式、連記式のいずれを採用することが妥当であるか検討されるべきである。

  • 役員定数について(2)


    中協法第35条第6項に「理事又は監事のうち、その定数の3分の1を超える者が欠けたときは、3箇月以内に補充しなければならない」となっているが、
    (1)定数とは何を指すのか。
    (2)本会の定款変更案では役員の定数及び選任について「本会の役員は理事25人以上30人以内、監事3人又は4人とする。」としてあるが、 この場合上限の理事30人の3分の1つまり10人まで欠けても補充選挙しなくともよいと解しているが如何、但し25人と下限を決めているのでこの場合は5人まで欠けて25人になっても補充選挙の必要はないか。
    次に監事の場合上限4人の3分の1つまり1人を欠けても補充選挙の必要はないか。
    (3)法定数とは何か。この場合25人と解してよろしいか。

    (1) 定数については従前は確定数をもって定めることとしたのであるが、役員の死亡等により欠員を生じた場合に、その都度選出することは、事実上不便を生ずることが多く、 実感にそぐわない点もあるので「何人以上何人以内」、を定数としている。
    (2) 役員補充の場合における取扱いについては、中小企業庁では定款に記載した下限を基準とすることにしているので、設例の場合25人の3分の1以上、 即ち9人が欠け16人になった場合に補充選挙の必要が生じてくることになる。
    監事の場合も同様に下限の3人の3分の1以上が欠けた場合に補充義務が生ずることになる。
    (3) 上述の趣旨から「何人以上何人以内」を法定数といい、設例の場合は「25人以上30人以内」が法定数であって、下限の25人をもって法定数とはいわない。

  • 1法人から複数の役員を選出することについて


    問1
    理事のうち組合員たる1法人の役員から複数の理事を選任できるか。

    問2
    組合員たる1法人の役員から理事と監事を選任できるか。

    問3
    上記の質疑1、2が合法的な場合、被選者1人を除き他は員外役員となるか否か。

    問4
    質疑2の合法的な場合でも
    (1)1法人でも1組合員であるので1組合員から理事と監事が出ることは役員の兼職禁止に抵触するとの意見
    (2)役員の就任は自然人(個人)として就任するので同一法人から出ても兼職とならないとの意見 どちらが正しいか。
    なお、当組合の実際例については組合員たる1法人の代表取締役を理事に、他の平取締役を監事に選任する状況にある。

    答1
    理事は、組合員たる1法人の役員から複数の理事を選任できる。

    答2
    組合員たる1法人の役員から理事と監事を選任できる。

    答3
    複数の組合役員を選任した場合複数の組合役員は員内である。

    答4 (2)のとおりである。
    すなわち、役員の就任は自然人として就任するので、同一法人から出ても兼職とはならない。

  • 法人役員の組合理事が同一法人の他の役員と組合理事を交替することについて


    組合員たる法人の役員が、当該組合の理事に選任されていたところ、法人の経営する業務に携わる他の役員に理事を交替する必要が生じたが、 何ら手続を経ずしてそのまま理事を交替することができるか。

    理事の選任は、中協法第35条の規定により、必ず総会において選挙又は選任しなければならないから、それによらない理事の交替ということは、法律に違反する。 理事というものは、組合員たる法人を代表しているのではなく、個人として、組合との委任契約により、公平な立場から組合の業務執行の決定に参画するのである。 したがって、理事が、組合員たる同一法人の他の役員と交替するということは、理事本来の趣旨からいってもできないことである。

  • 役員重任禁止の是非


    役員の選挙規約に「4期連続して役員となることはできない」旨定めることは差し支えないか。

    選挙権の平等の組合原則は、一方、被選挙権の平等を意味するものと解される。したがって、役員重任禁止の規定は、被選挙権を拘束するものであり不適当と考える。

  • 員外役員の定めのない組合が員外役員を置くことの可否


    協同組合が員外役員を置く場合、次のいずれをとるべきか。
    (1)員外理事を置く旨定款に定めなくとも、員外役員を置かない旨の規定がなければ、理事の定数の3分の1までは置くことができる。
    (2)員外役員を置く旨定款に定めなければ、員外役員は置けない。

    設例については、法律解釈上は、理事の定数のうち3分の2までは必ず組合員又は組合員たる法人の役員であることを充せば貴見(1)のとおりであるが、 貴見の(2)の見地を加味して、員外理事を置く場合は、定款には理事の定数の下限の3分の1以内において「何人」と確定数を記載することが員外役員に関する事項を明確にさせるうえから望ましい。

  • 員外理事の資格について


    組合員の後継者で組織する青年部の役員を組合理事として登用し、役員の若返りと、組合事業の活性化を図りたいと考えている。 青年部の役員は組合員企業の役員になっている者が多いが、個人事業者の後継者である者やまだ組合員企業の役員になっていない者もいる。 これらの者を役員にすることができるように定款に「員外理事」の規定を設けたいが、その際「員外理事」を 組合員の後継者である青年部の役員に限定する規定にすることは可能かご教示願いたい。

    中協法では、員外理事の定数については、第35条第4項により員外理事の組合業務運営の支配を避けるために一定の制限を付している。 しかし、員外理事の資格については、中協法では特に制限規定は設けていないので、中協法の趣旨及び公序良俗に反しない限り組合が自主的に定め得るものと解される。
    ご質問のように、員外理事を組合員の後継者に限定することは、組合運営が組合関係者のみの運営となり、法の趣旨に反するものではないので差し支えないと思料する。
    中協法で「員外理事」を定めた趣旨は、「正規理事(員内理事)」が自己の企業の事業もあることから、組合の事業運営に専念し得ないおそれがあり、 他方員外からも広く人材を起用することが望ましいという点にある。
    員外理事の資格を、組合青年部役員である組合員の後継者に限定するのも一つの方法であるが、組合事業運営に精通した人材を広く外部から起用することも考えてみる必要があると思われる。

  • 員外監事について


    役員たる監事は組合員中より選任すべきか。また、組合員外から選任することができるか。

    事業協同組合の役員たる「監事」の資格は、組合員たると以外の者たるを問わないので員外から選出することができる。

  • 理事と組合との関係について


    理事と組合との関係は民法第643条の委任によるものか。

    中協法第35条により、組合と役員(理事又は監事)との内部関係は民法上の委任契約に関する一連の規定が適用される。
    したがって、組合と理事との関係は当然に民法第643条~第656条の規定に拠るところになる。

  • 員外理事の代表理事就任について


    事業協同組合において、員外の理事が代表理事になれるか。理事長、専務理事がともに員外である場合はどうか。

    員外理事は、組合事業に専念できる者を得るために設けられた制度であることから、代表理事になることは差し支えない。 しかしながら組合は組合員のための組織であることを考慮すると組合の長は組合員のうちから選任されることが好ましい。
    また、理事長、専務理事がともに員外理事であることは一般的には避けるべきであるが、特別の事情でそれが組織運営に却ってプラスとなるのであれば、 一概には排除すべきことではないと考える。

  • 代表理事を総会で選任することについて


    総会において理事を選挙する際、代表理事を特定して選挙することができるか。例えば理事の定数は5名であるが、そのうち1名は代表理事となるので、 選挙の際代表1名、代表権のない理事1名として総会で直接選挙したり、あるいは、選挙は普通に5名を選挙するが、 最高得票者を代理理事とすることを条件として行うような選挙方法をとってよろしいか。

    理事一般については、組合と委任契約を締結するのであるから中協法においては、総会で選挙する旨を規定しているが(中協法第35条第3項)、 代表理事は、理事会を構成する他の理事との信任関係に立ちながら、理事会で決定された組合の業務の執行を正確に実施するところの組合の代表機関であると解される。 したがって、この趣旨から代表理事は、理事会において選任するべきものとして中協法第36条の8で規定している。いわば代表理事の選任は理事会の専決事項であるから、 これを直接総会で選挙することはできない。

  • 協同組合に会長制を設けることの是非


    事業協同組合において、過去に理事長の職にあった者のうちから会長を選任し、代表理事の権限の若干を行わせる会長制を設けたいとの相談があったが、これは可能か。

    ご照会の会長の身分あるいは職務権限の詳細が不明であるが、そのような会長は対外的には少なくとも表見代表とみなされ、 また、一般的には組合の管理面において理事長との権限の分担等が複雑になり内部の統一が損なわれるおそれがある。
    したがって、ご照会のような会長制を設けることは、法的には不可能ではないが、運営上好ましくなく、理事又は顧問として協力を得るのが適当である。
    しかしながら、中協法においてこれを禁止する規定はないので、会長制を設けることが組合の実体からみて運営上最良の方法であれば、 これを設けることも妥当と思料するが、その適否は実体から判断すべきものであるので所管行政庁とも協議のうえ判断するのが適当と考える。

  • 顧問・相談役・参与について


    通常総会で、設立以来長年当組合の発展に貢献してきた代表理事が交替し理事としての職務も退くこととなった。 理事会では、その功績をたたえるとともに、組合の役員ではないにしても、組合が必要とする時は、いつでも助言等を求めることのできる地位に置きたいと考えている。
    中協法では「顧問」を置くことができることとなっているが、前理事長を顧問に委嘱することは可能か。また、相談役・参与なども設けたいが、どうか。

    長年、組合の業務執行に携わっていた者が、組合の役員たる地位をはずれたからといって、その後、組合がその豊富な経験、知識等を活かした助言等を求めることができないということはないが、 いつでも遠慮なく助言等を求めるためには、何らかの役職に委嘱しておくことも得策であると考える。
    中協法第43条では、「組合は、理事会の決議により、学識経験のある者を顧問とし、常時組合の重要事項に関し助言を求めることができる。 ただし、顧問は、組合を代表することはできない。」と顧問の規定を設けているが、顧問以外には業務執行等について助言等を求めることのできる役職の規定はない。
    このほかに、任意に相談役、参与という名称の役職が置かれていることが少なくない。これは法律に規定されてはいないが、必要に応じて設けることは差し支えないものと考える。
    顧問・相談役・参与をどのように区別するかについては、明確な基準はないが、顧問とは組合員以外の者であって、しかも組合事業遂行上、高い視点からの助言をなし得る者、 相談役とは長年組合及び当該業界にあって、中心的役割を果たしてきた者であり、組合の運営及び当該業界の問題について豊富な知識と経験に基づいた適切な助言をなし得る者、参与とは長年組合事務局の職務に携わってきた者で、組合の実務に明るく、組合運営について実務的側面から意見を述べ得る者、と考えてよい。 これらのことを勘案すると貴組合の前理事長は、顧問よりもむしろ相談役に委嘱することの方がよろしいのではないかと考える。 なお、顧問・相談役・参与等の役職を設ける場合には、それぞれについて委嘱規定を置くなどして、それぞれの委嘱の期間等の基準を明確にしておくべきである。

  • 代表理事の残任義務


    役員改選し、理事会を開催したが新代表理事が決まらない。前代表理事は理事に選ばれなかったが残任義務はあるか。

    代表理事が退任して、その後任者が決まらない場合の法律関係は少し複雑です。代表理事には、二重の残任義務が課されているからです。 理事としての残任義務と、代表理事としての残任義務の二つです。
    任期満了で退任した代表理事は、次の代表理事が就任するまで代表理事として残任しなければなりません。そうしないと代表理事が不在の状態になってしまうからです。
    疑問なのは、前代表理事が新理事に選出されなかった場合でも残任義務はあるのかということです。理事としての身分は新理事が就任した時点で終わります。 終わっているのに、代表理事不在の状態を避けるために前代表理事は残任しなければならないのでしょうか。
    結論は、前代表理事に残任義務はないということになります。理事でない者が代表理事として残任するのは不適切だからです。代表理事不在の状態が続くことになりますがやむを得ません。

  • 辞任した役員の残任義務について


    組合の定款では、理事の定数を「6人以上8人以内」と定めており、当初総会で6人を選出していたが、今回1人の辞任者がでた。
    組合は中央会の指導により、この辞任者については残任義務があるとの解釈をしていたが、たまたまある弁護士に相談したところ、 中央会の見解と異なるため、その根拠についてご説明いただきたい。

    組合における理事の定数は、組合の規模、事業内容等に応じ組合の業務執行上必要な人数を定款で定めたものであり、常に定数を充たしておくべきものである。
    理事の定員数が定款上の定数に不足することは、そのこと自体定款違反の状態であり、この場合当該組合の理事は法に定められた定数の遵守義務規定のうえからも速やかに理事の欠損分を補充する手続をとらなければならない。
    また、中協法が第35条第6項において、会社法と異なる補充義務規定を置いているゆえんは、役員に欠損が生じた場合には、組合の業務運営上、早急に補充すべきであるが、 特に欠員が3分の1を超えた場合には3ヶ月以内という期間を限って補充義務を法文上明確に示した点にある。すなわち、同項は決して定数の3分の1を超えた欠員が出るまでの補充義務を免除したものではない。
    したがって、説例の場合は定数で定める理事定員(6人)を1人でも欠いた場合は、直ちに該当理事者に残任義務が発生するものというべきで、罰則を伴った補充義務規定がないことを理由にこれを拒否すべきものではないと考える。
    なお、諦観において理事の定款に幅を持たせている場合において、下限の人員を選出すると、今回のような事態も生じやすく、「6人以上8人以内」として理事に2人の余裕をもたせた意味がなくなるので今後は定数の上限を選出するようにされたい。

  • 監査拒否、理事の対応は?


    監査報告がないまま総会を開催し、決算書の承認を受けてもよいか。

    監事は会計監査を通じて理事の業務執行を監督する立場にあります。このため、監事には報告請求権、調査権が与えられています。この権限により監事は監査を行います。
    複数の監事がいる場合、監事会のような機関は置かず、監事はそれぞれが独立して監査業務を行います。理事長は、監事の報告を添えて決算関係書類を通常総会に提出して、その承認を受けなければなりません。
    平成一八年の法改正以前は、監事の意見書がないままに総会の承認を得ると、その決議は取り消される可能性がありました。
    法改正により、監事が監査をする期間は四週間とされました。理事との合意でこの期間を延長することができますが、合意しなければ四週間待って監査報告がなければ、報告があったものとみなして決算関係書類を総会に提出して承認を得てよいことになりました。
    監査期間を四週間以下で合意することはできませんが、監事の監査拒否という事態にも困らない状況ができたことはありかたいことです。
    なお、監査期間の四週間は、監事が自主的に四週間以内に報告することを禁じてはいません。

  • 理事の参事兼職について


    理事は参事を兼職することができるか。

    監事は使用人と兼ねてはならないことになっているが(中協法第37条)、理事については別段の定めがないので兼務は差し支えない。 ただし、実際問題としては理事が参事を兼ねる必要性は乏しく、その理事を代表理事とするか、専務理事又は常務理事とすれば足りると考える。

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