組合運営Q&A

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加入・加入金

  • 加入拒否の「正当な理由」の解釈について


    中協法第14条は、組合員資格を有するものであっても、組合は正当な理由があれば加入を拒否できると解されるが、 その正当な理由とは、どのような理由をいうのか。

    「正当な理由」とは、組合員資格を有する者に対して一般的に保障されている加入の自由が具体的な特定人に対して保障されないこととなっても、 中協法の趣旨から、あるいは社会通念上からも不当ではないと認められる理由をいう。
    「正当な理由」として認められるものとしては、次のような場合が考えられる。
    (1) 加入申込者自体にある理由
    ① 加入申込者の規模が大きく、これを加入させると組合の民主的運営が阻害され、あるいは独占禁止法の適用を受けることとなるおそれがあるような場合
    ② 除名された旧組合員が除名直後又はその除名理由となった原因事実が解消していないのに、加入申し込みをしてきた場合
    ③ 加入申し込み前に員外者として組合の活動を妨害していたような者である場合
    ④ その者の日ごろの行動からして、加入をすれば組合の内部秩序がかき乱され、組合の事業活動に支障をきたすおそれが十分に予想される場合
    ⑤ その者の加入により組合の信用が著しく低下するおそれがある場合
    ⑥ 組合員の情報、技術等のソフトな経営資源を活用する事業を行う際に、当該経営資源や事業の成果等に係る機密の保持が必要とされる場合において、 例えば、契約・誓約の締結、提出などの方法により機密の保持を加入条件とし、これに従わないものの加入を拒む場合 (ただし、条件はすべての組合員に公平に適用されることが必要である。)
    (2) 組合側にある理由
    組合の協同施設の稼動能力が現在の組合員数における利用量に比して不足がちである等、新規組合員の増加により組合事業の円滑な運営が不可能となる場合
    なお、「正当な理由」に該当するか否かについては、その事実をよく調査し、その事実に応じて判断するのが適当と考える。

  • 加入金の性格と定款記載について


    当組合の定款には、脱退者の持分の払戻しについては、「組合員の本組合に対する出資額を限度とする」旨の規定をしている。 定款参考例によれば、このように規定している組合では加入者からの加入金を徴収する旨の規定は削除することとされている。 加入金は定数の定めがなければ徴収できないということであるので、このことにより、当組合では、加入金は徴収できないと考えられる。
    加入の際の事務手数料的なものを徴収することはできないのか。 この場合、定款に「加入金」ではなく、「加入事務手数料」を徴収できる旨の規定を置くことはできるか。

    中協法では、組合が定款で定めた場合には加入金を徴収することを認めている(第15条)が、この加入金の意味については、特に規定していない。
    しかし、その趣旨から広義に解釈すれば、持分調整金と加入事務手数料を意味するものと考えられる。
    持分調整金とは、持分の算定方法について、改算式算定方法(組合の正味財産の価値を出資総口数で除して、出資1口当たりの持分額を算定する方法。
    従って組合員の持分は均一となる)を採っている場合において、組合財産の増加によって出資1口当たりの持分額が出資1口金額を超えている場合に、 その超過した部分に当たる差額を新規加入者より徴収し、新規加入者と既存組合員との持分についての公平を保とうとするものである。
    このように、持分調整金は、改算式の持分算定方法を採用する組合において徴収することになるが、たとえ改算式を採っている組合でも、 貴組合のように、定款の規定により脱退者の持分の払戻しが「出資額を限度」として行われる組合にあっては、常に払戻し額が出資額を上回ることはなく、 新旧組合員の持分の調整を行う必要が生じないので、持分調整金としての加入金をとることはできないとされている。
    定款参考例でいう「加入金」は、この持分調整金を意味していると解されるので、このような組合にあっては加入金の項を削除するよう指導されている。
    次に、加入事務手数料についてであるが、これは組合に加入する際に要する事務的費用、例えば出資証券や組合員証の発行費用などであるが、 これを加入者に負担させるために徴収するものをいう。
    この加入事務手数料は、広く加入金の一種と考えられるが、これはあくまで実費の範囲を超えないものであり、その性質上それほど多額なものとなり得ないものである。
    このような実質的なものの徴収は、加入金の規定によらなくても組合として徴収し得るものである。
    しかし、このことは、加入事務手数料を徴収できる旨の定款記載を禁じるものでなく、例えば徴収の根拠を明らかにしておく等の必要がある場合には、 この旨を記載しても差し支えないと考える。

  • 法廷脱退した組合員の持分譲受加入の是非


    組合員Aは、○年12月2日組合員資格喪失により法廷脱退したが、その未払持分を譲り受けることによりBの加入を、翌年の3月15日の理事会で承諾した。 このような資格喪失者の未払持分で譲受加入ができるか。

    脱退した組合員の持分は、脱退と同時に持分の持つ身分権的なものが喪失しており、持分払戻し請求権という債権が残っているだけである。 したがって、既に法定脱退した者の組合員としての権利義務を承継することとなる譲受加入ということはあり得ず、当該譲受人の加入は新規加入の手続によらなければならない。

  • 脱退組合員の再加入について


    事業年度末(3月31日)に自由脱退した組合員が翌4月1日に新規加入を申し出た場合に、理事会でこれを拒否することができるか。

    加入も脱退の場合と同様、自由であることは協同組合の基本的原則であって、設問の場合も正当な理由がない限り、これを拒否することはできない。

  • 個人企業が会社を設立した場合の組合員としての取扱いについて


    組合員である個人企業は、現在、株式会社を設立する準備を進めているが、手続が完了した時、組合は、 定款の規定に基づき「名称」の変更届を出してもらうとともに、組合員名簿を変更しようと考えている。この処理方法でよいか。

    組合員である「個人企業」が、「法人企業」である株式会社に代わることは、 個人企業の脱退(事業の廃止に伴う組合員たる資格の喪失による法定脱退(中協法第19条第1項第1号))と、株式会社の新規加入という2つの行為を含んでいる。 したがって、原則的には、個人企業には、事業の廃止に伴い、持分払戻請求権が生じ、組合は、この請求に応じ、脱退の手続をとることが必要となる。
    また、法人である株式会社を組合に加入させるには、株式会社から加入の申込みが必要であり、この申込みに対する組合の承諾が得られた後、株式会社は組合に対して、出資金の払込みを行うこととなる。
    しかし、個人企業と法人である株式会社が、実体的にみて併存するようであるならば、組合員である個人企業は、組合の承諾を得た後、法人である株式会社に持分を譲渡して脱退することが可能である。 この場合には、譲り受けた法人は当然に組合員となり、出資金の払込みは必要としない。

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